渡月橋から見る嵐山 |
京都の中でも指折りの観光地・嵐山。その嵐山が桜の名所となったのは、嵯峨天皇が吉野の桜を見たいと思ったものの、遠方で御幸が無理なので、逆に吉野の桜を嵐山に移植したことに由来するといいます。
そのことを能にしたのが能『嵐山』。最初の次第「吉野の花の種取りし。嵐の山に急がん」という謡にテーマがしっかりと示されています。
そして、桜だけではなく、子守・勝手の明神や蔵王権現など吉野の神仏もまた時折、吉野山から嵐山まで出張って威光を示すのでした。
さらに替の間狂言『猿聟』では、猿までが桜と一緒に吉野山から聟入りしてきます。聟猿に舅猿、姫猿に太郎冠者猿・供猿と構成は人間と全く同じながら、最低限の決まり言葉以外は全てキャーキャーという猿の鳴き声で演技するという異色の間狂言…なんだそうです。私は未見なので是非見てみたいと思っています…。
今でも嵐山には猿が多いらしく、阪急嵐山駅前の案内板には、しっかり「モンキーパークあらしやま」も載ってました。(右上の写真)
ちなみに京都の西を流れる川が桂川ですが、嵐山の辺りを特に「大堰川」とも言い、「多い」などの掛詞として多くの謡に登場します。
(2003/11/20)
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