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渡月橋から見る嵐山
渡月橋から見る嵐山

モンキーパークあらしやま

 京都の中でも指折りの観光地・嵐山。その嵐山が桜の名所となったのは、嵯峨天皇が吉野の桜を見たいと思ったものの、遠方で御幸が無理なので、逆に吉野の桜を嵐山に移植したことに由来するといいます。

 そのことを能にしたのが能『嵐山』。最初の次第「吉野の花の種取りし。嵐の山に急がん」という謡にテーマがしっかりと示されています。

 そして、桜だけではなく、子守・勝手の明神や蔵王権現など吉野の神仏もまた時折、吉野山から嵐山まで出張って威光を示すのでした。

 さらに替の間狂言『猿聟』では、猿までが桜と一緒に吉野山から聟入りしてきます。聟猿に舅猿、姫猿に太郎冠者猿・供猿と構成は人間と全く同じながら、最低限の決まり言葉以外は全てキャーキャーという猿の鳴き声で演技するという異色の間狂言…なんだそうです。私は未見なので是非見てみたいと思っています…。

 今でも嵐山には猿が多いらしく、阪急嵐山駅前の案内板には、しっかり「モンキーパークあらしやま」も載ってました。(右上の写真)

 ちなみに京都の西を流れる川が桂川ですが、嵐山の辺りを特に「大堰川」とも言い、「多い」などの掛詞として多くの謡に登場します。

(2003/11/20)

DATA

京都市西京区嵐山

能『嵐山』の舞台。
花守の 住むや嵐の山桜 雲も上なき 梢かな

当然ながら能『嵐山』の替の間狂言『猿聟』の舞台でもある。


交通
・阪急嵐山線「嵐山」
・京福嵐山線「嵐山」
・JR山陰本線「嵯峨嵐山」

オススメ本
狂言のことだま
山本 東次郎
 本狂言だけでなく間狂言についても述べた『狂言のすすめ』の続編。『猿聟』についても言及。

能・狂言ゆかりの地
赤間神宮 / 嵐山 / 生田神社 / 因幡薬師堂 / 宇治橋 / 処女塚古墳 / 小野小町双紙洗水 / 鏡が池 / 冠者殿社 / 貴船神社 / 清水寺 / 鞍馬寺 / 四天王寺 / 俊徳街道 / 須磨寺 / 晴明神社 / 泉涌寺 / 大物浦 / 薪能金春発祥地 / 土蜘蛛塚 / 道成寺 / 東大寺 / 飛火野 / 西求女塚古墳 / 仁和寺 / 鵺塚 / 筥崎宮 / 東求女塚古墳 / 御津 / 和布刈神社 / 八尾地蔵尊 / 吉野山