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鞍馬寺義経堂
鞍馬寺義経堂

鞍馬寺僧正が谷

 鞍馬寺は宝亀元年(770)に鑑真の弟子鑑禎が毘沙門天を祀って創建したのがはじまりといいます。その後、都が平安京に遷るに従って、王城鎮護の道場として伽藍が整備されます。昭和22年(1947)に「鞍馬弘教」という新宗教が立教、鞍馬寺を本山としてます。

 能関係では『鞍馬天狗』で語られる通り、なんといっても源義経が幼少時代を過ごし、天狗に兵法を授けられたという土地です。

 叡山電鉄「鞍馬」駅を降りて歩いて約30分で本堂につきます。そこまででも割と大変なので本堂に参ったら帰る人も多いですが、それを更に奥に進んで30分ほどで、最初に義経が天狗に出会ったとされる僧正が谷の不動堂に至ります。

 そのすぐ隣には「義経堂」というお堂があり、源義経が奥州の衣川の合戦で殺された後、魂が懐かしい鞍馬寺に戻って、護法魔王尊 の脇侍・遮那王尊となったとして祀られています。昼間でも薄暗い場所である上に、撮影当日は曇りだったこともあって、大変暗い写真となってます。

 このあたりの道は木の根道と呼ばれているのですが、それは岩盤が露出しているために木の根も地上に張り出しているためで、なかなか歩きにくい山道です。私も何度か木の根に足を取られ、コケそうになりました(^^;) 昼でも薄暗いことも相まって、こんなところを日々駆け回ってれば、そりゃゲリラ戦の天才にもなるかなー、と思いました。

 上り下りも多く、歩くのが決して楽な道ではありませんでしたが、これくらい奥に入ってくると、何か気持ちが据わってくるのか、だんだん歩くのが苦じゃなくなってくるんですよね。もう、不動でも魔王でもどんとこーい、って感じで(笑) そういえば、鞍馬、寒かったです。京都の街中とぜんぜん空気が違うのか、凄い寒いんです。だから、もう必死で歩いて体を温めなきゃやってられないってところもあって(笑) そうして、火照った体を静謐な空気で冷ますのが、ちょっと気持ち良かったです。

(2003/11/21)

DATA

京都市左京区鞍馬本町1074

能『鞍馬天狗』の舞台。
そもそもこれは 鞍馬の奥僧正が谷に 年経て住める 大天狗なり

交通
・叡山電鉄鞍馬線「鞍馬」
(本堂まではさらに徒歩30分、ケーブルカーあり)

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