処女塚古墳 「能楽の淵」トップページへ


処女塚古墳 前方部から後方部を見る
処女塚古墳

田辺福麻呂の歌碑

 「処女塚」と書いて「おとめづか」と読みます。神戸市東灘区に存在する、4世紀ごろに造営されたと考えられている前方後方墳です。昭和54年(1979)から昭和60年(1985)にかけて復元され、史跡公園として整備されています。

 ここは西求女塚古墳東求女塚古墳とともに『万葉集』『大和物語』そして能『求塚』に繋がる悲恋物語の舞台となっています。3つの古墳は約2km離れて向かい合うようにあるのですが、その中央がこの処女塚古墳。菟名日処女(うないおとめ)の墓とされているんですね。

 あまり写真では見えないかもしれないですけれど、この処女塚古墳の上にも桜の花が咲いていて、能『求塚』の前半、うららかな春の景色を描く場面を思い浮かべました。もっとも菜摘みって、残雪をかき分けながらするもので、春といっても「新春」などの春なんでしょうけれどね(笑)

 古墳の脇には万葉歌人・田辺福麻呂の歌碑が置いてありました。

いにしえの 小竹田壮士(しのだおとこ)の妻問ひし
  菟原処女(うなひおとめ)の奥つ城ぞこれ

 『万葉集』の時代からいわれていた伝説なのですね。『太平記』に記された、湊川の戦いで敗れた新田義貞の危機を救って、この塚の上で戦死した小山田高家の碑も並んでおいてあります。

(2005/08/12)

DATA

神戸市東灘区御影塚町2-10

能『求塚』の舞台。
二人の男子はこの塚に求め来りつつ

交通
・阪神本線「石屋川」下車

能・狂言ゆかりの地
赤間神宮 / 嵐山 / 生田神社 / 因幡薬師堂 / 宇治橋 / 処女塚古墳 / 小野小町双紙洗水 / 鏡が池 / 冠者殿社 / 貴船神社 / 清水寺 / 鞍馬寺 / 四天王寺 / 俊徳街道 / 須磨寺 / 晴明神社 / 泉涌寺 / 大物浦 / 薪能金春発祥地 / 土蜘蛛塚 / 道成寺 / 東大寺 / 飛火野 / 西求女塚古墳 / 仁和寺 / 鵺塚 / 筥崎宮 / 東求女塚古墳 / 御津 / 和布刈神社 / 八尾地蔵尊 / 吉野山