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平安時代の陰陽師・安倍晴明の屋敷跡だと伝わる神社。祭神も安倍晴明。本によっては倉稲魂命(うがのみたまのみこと)も祀るとありますが、最近の陰陽師ブームのためか、晴明神社公式サイトにはその名は見えません(苦笑) 神社の縁起などを読むと史実の安倍晴明というよりも、『今昔物語集』以下のスーパーヒーローとしての安倍晴明を祀っていると考えるべきでしょう。 能『鉄輪』の後場、呪われた男が夢見が悪しいと言って頼る安倍晴明(ワキ)も史実に由来するわけではなく、陰陽師の仕事として呪詛からの防御があり、それが説話として流布していたからです。特に晴明である必要はないのでしょうが、どうせならと陰陽道の大家・安倍晴明が登場することになったのでしょう。 ですので、それほど能『鉄輪』と関わりが深くはありませんが、一応、後場で人形や祭壇を用意して晴明が祈祷を行ったのが、この晴明神社の元の晴明邸だったといえないことはないでしょう。『今昔物語集』によると、晴明邸は式神(陰陽師の使い魔)が使われており、人もいないのに、蔀戸がひとりでに上がったり下がったり、門が自然に閉まったりと不思議なことが多かったとあります。 現在の晴明神社は、陰陽師ブームのために参拝客層が変わったのか、若い女性や修学旅行生を意識したグッズなどが目立ち、なんとも「観光神社」臭さがあって私はあまり好きではありません(汗) 境内には有名人に奉納された絵馬もあり、映画『陰陽師』関係で野村萬斎師のものもありました(右上の写真)。 (2004/10/07) |
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