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ちょっとひねくれっ気のある「千之丞節」たっぷりの狂言「出門書」。自称「ひねくれ狂言役者」ですしねぇ(^^;) 茂山千之丞師の芸・狂言に対する姿勢がよく分かる好著です。 最初の章に「狂言のリレキショ」と題して、狂言の歴史と由来に関して、書いてらっしゃいますが、散楽から猿楽になり、猿楽能が滑稽な部分を切り捨てるに渡って、その部分を狂言に託したという通説を一応紹介した上で、千之丞師らしい農楽などから発展して猿楽能と後で合流したという説を展開してらっしゃいます。本人も「学問的とはいえない」と認めておられますが、なかなかどうして、魅力的な説ではないでしょうか。 あと第二部の「狂言百面相」が一番楽しめました。狂言の登場人物を太郎冠者、大名・小名などと分類しつつ、具体的に狂言の例を挙げて解説しています。思わず見たくなる狂言もたくさん…特に『首引』。是非見たい…。 (2004/02/29) |
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