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演目別にみる能装束

観世喜正 正田夏子 青木信二

淡交社 2004年08月

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 観世九皐会の観世喜正師が装束を着けられた写真に、演目・能装束などの解説を加えた本です。

 最初の各出立の基本形が終わると、大きなA4版の1ページ全体に広がる華麗かつカッコ良い写真が大迫力!ただページをめくるだけでも、十分に楽しめます。私はサイトのURLにしてしまうぐらいですから、『船弁慶』の知盛の写真が一番のお気に入りですが、ほかに『安達原』『玉井』なども好きです。

 『能 梅若六郎』ではあまり良くは評価しなかった奇抜な『大般若』も、基本を押さえた写真が続いた最後にあって、こういう能もあり、と見せてくれる分には随分素敵に感じるから不思議です。…『能 梅若六郎』は文庫本サイズで写真が狭苦しいというのはあるのでしょうが。

 装束のそれぞれの名前もきちんと書かれてます。例えば『船弁慶』の出立として、「白地立湧波丸袷狩衣、紺地立波半切、萌葱段替波鍔厚板」。これだけ読んでも一体何の事か分からないでも、正田夏子さんによる詳細な本文を読んでいる内に少しずつ何だか分かる様になってくるのが不思議です。観世喜正師の「演者の一言」は割とくだけた語り口で能が近く感じられるでしょう。

 具体的に装束つけをしていく過程を写真に撮ったり、装束とは別個に論じられる事も多い能面、昔は今よりもっとゆったり着付けていたらしいといった能装束の歴史に関する解説もあります。

 巻末には五流派別の装束付一覧も。

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(2004/10/29)

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