「直道の吊らい」??
2月7日の「能のことばを読んでみる会」《巴》にむけて各流の謡本を読んでいますと、現行の金春流の謡本に「吊(とむ)らい」とありました。これが不思議に思いましたので、Twitterで以下のようにつぶやいてみました。
「能のことばを読んでみる会」《巴》 https://t.co/oStrl4gr6O にむけて各流の謡本を読んでいますが、金春流の謡本に「吊(とむ)らい」とありました。他の流派では「弔」ですが、「吊」にそういう読みがあるのでしょうか。 pic.twitter.com/UXEWJlDtxa
— 柏木ゆげひ (@kashiwagiyugehi) 2016, 1月 8
…とTwitterでつぶやいたところ、林瑞享さんに「弔」と「吊」は異字体なのだとお教えいただきました。
手持ちの漢和辞典『漢字源』には以下のように書いてありました。…といいますか、つぶやく前に引くべきだと反省です。
「弔」…象形。棒につるが巻きついてたれたさまを描いたもので、上から下にたれる意を含む。また、天の神が下界に恩恵をたれることをいい、転じて他人に同情をたれることも弔という。
「吊」…会意。「口+巾(ぬの)」で、布切れで何かをぶらさげるさまを示す。弔(たれる)が「弔問」の意に傾いたためつくられた俗字。
別の世阿弥なうさんからは、車屋本(江戸初期の金春流謡本)にも見える旨、情報をいただきました。
@kashiwagiyugehi ちゃんと調べたことはありませんが、車屋本なんかによく出てきますね。宛字だと思いますが。
— 世阿弥なう (@zeaminow) 2016, 1月 8
果てには金春御宗家からも「弔」と「吊」について、日本だけではなく、中国や台湾での用例をお教えをいただきました。
柏木様:中国語でも昔から「弔い=吊い」は通用してました。1960年代に北京では「吊るす」も「弔い」も「吊」の字に統合されてます。台湾でも「弔=吊」で互換性が有るハズ。
— 金春安明 (@0jIJf53C4zJfHHF) 2016, 1月 10
やっぱり謡本を読んでいると勉強になるなぁ…と再確認しました。
最近のコメント