激しい雨の中「狩野永徳」展へ
19日は京都国立博物館へ。「狩野永徳」展と特別陳列「能楽と美術」を見るためです。
掲示板でこっこさんに教えていただきましたが、京都は現在「きものパスポート」のキャンペーンが行われていて(~12月25日)、着物を着ていくと色々な割引が受けられるそうですが、この日は激しい雨が降っていたので、着物は断念しました。
「狩野永徳」展は…他に行った人の話を聞くと土日は大変な混雑ぶりのようですから、平日の、しかも雨の日に行って正解だったと思います。しかし、私の美術・芸術オンチぶりを確認する特別展となりました。
花鳥風月の絵って…私、正直苦手です。草(荒さ)と真(細かさ)の対比といわれても、ふーんそうなんですか、としか思えない。その一方で「洛中洛外図屏風」を始めとする風俗画や、「織田信長像」を始めとした肖像画は楽しめました。
「洛中洛外図屏風」なんて、細かい絵だからというのもあるのですが、端から端までじっくり見て。図録見本で、それぞれ何が描かれているか確認して、再びまた見るなんてことをしてました。空いていたからできたことですが。
つまり、私が良いなぁと思ったり、楽しめたりした絵というのは、描かれている題材に知識や興味があるかどうか、なんですね。絵自体の鑑賞ではない。「絵画資料」としての見方なのでしょう。「博物館は好きだけど、美術館は苦手」というのは何度か言ってきた言葉ですが、また今回思い知りました。
気を取り直して「能楽と美術」へ
さて、気を取り直して平常展示館の中に展示されていた特別展示「能楽と美術」。大正から昭和にかけて活躍し、能の愛好家となった京都の実業家たちが、大名家の旧蔵品などを収集したものが展示されています。
能面や謡本、楽器などは数点ずつだったのですが、展示会場の半分「17室」というのは染織工芸品の部屋であることもあり、能装束が多かったです。
加賀藩やその支藩である大聖寺藩の旧蔵品がいくつかありました。彦根城博物館でも「加賀藩前田家旧蔵」とある能面・能装束が目に付きましたが、前田家での能がどれだけ盛んであったか、その一端が感じられますね。
大名家旧蔵品の装束には、その大名家の紋づくしだったり、基本的に無地が多い水衣に模様が付いていたり、襟周辺以外は見えないので、あまり模様を入れないことが多い着付用の摺箔全面に、凝った模様が全面に入っていたりと、大名家ならではの贅を尽くしたものがありました。見えない部分まで力を入れるのは、”粋”にも通じるように感じ楽しかったです。
楽器は小鼓胴と太鼓胴だけでしたが、隣の漆工芸品に大鼓胴もあって、大鼓を習っている身には嬉しい発見。鼓胴の蒔絵には洒落たものも多くて好きですが、「うんすんかるた」の柄などもありました。かるた→賭博→打つに通じるそうです。そのもの「鼓」が蒔絵されている大鼓胴もありました(^^)
八坂神社所蔵の小鼓胴には、八重桜と「蘇民将来」の札が描かれたものも。これは京都の鼓師が奉納したものだそうですが、「蘇民将来」の札は八坂神社で配っているものですし、桜も牛頭天王の詠歌に神垣に千本の桜花咲かば。植ゑ置く人の身も栄えなんというものがあるそうで、奉納先にゆかりの柄を描いたのですね~。
やはり能は好きなので、それに使われる道具も楽しく見ることができます。装束そのものとか、蒔絵そのものが楽しめたらもっと良いのでしょうけれど…。
なお、「狩野永徳」展は18日(日)まで。特別陳列「能楽と美術」は11日(日)まで。「狩野永徳」展のチケットで平常展示館も見ることができますので、どうせなら、両方ご覧になることをオススメします。
狩野永徳展、ずっと行きたいと思ってるんです!いいな~。
お話をお聞きしていたら、ますます行きたくなりました!
ホンマですか~。
狩野永徳展にはどちらかというと、
否定的な文章ですのに(^^;)