ドラマ版『のだめカンタービレ』

ドラマ版「のだめカンタービレ」
のだめカンタービレ

上野樹里 玉木宏 瑛太/アミューズソフトエンタテインメント 2007年

ドラマ版『のだめカンタービレ』にハマる

最近『のだめカンタービレ』がマイブームです。マンガは前々から好きで、今でも新刊が出るたびに買ってますが、今マイブームなのはドラマ版。

レンタルビデオ店でDVDを1巻ずつ借りて、現在3巻(ドラマ第5~6話収録)まで見ました。今の家に録画機器がない上に、仕事が終わって帰るといつも放送時間が終わっていたので、生では全く見ていません(汗) まあ、普段テレビほとんど見ない人間なんですけれど。

まず感じたのが、原作の雰囲気をなかなか上手く取り入れてあるなぁ、ということ。それでいて、実写の良さもあるし、ドラマオリジナルな部分もある。

でも、例えば、最初の連弾のシーンで「たった2小節で間違えるなー!」と、千秋がのだめ(野田恵)に楽譜を投げつける場面などは、マンガだとマンガの表現として爆笑できたシーンでしたが、実写で見ると「酷い!」と思わず叫んでしまった部分はありました。もっともそういった表現も徐々に慣れてきましたし、結局ドラマは作り物です。その作り物としての表現として、逆に楽しめるようになってきました。

楽しむといえば、最初はシュトレーゼマンの役が竹中直人さんと知って「なんだそりゃ」と思いましたが、あの演技を外国の方にさせるのは難しいでしょうし、あの何とも言えない怪しさが逆にいいな、と思えてきました。「作り物」なのが、逆に良いのでしょうか。

何よりも映像なので、BGMとして登場する音楽がたくさん聞けるのが、とても素敵で良かったです。それぞれのシーンも実際に曲が流れますし。クラシックは無知ながら、ワンフレーズだけ知っている曲があって「この曲ってこのフレーズだったんだ」なんてことも何度もあります。

「さあ、楽しい音楽の時間デス――」

まだまだ続きも見て行きたいですが、今まで見た中で好きなのが、第5話のシュトレーゼマン指揮によるAオケと、千秋のピアノによるラフマニノフ・ピアノ交響曲第二番のシーン。原作でも好きでしたが良いです。

シュトレーゼマン「大事なことは、君がどれだけこの曲と真剣に向き合ったかどうかデス」。その結果に圧倒されるんですよね。しかも実際の演奏付きで見られて。演奏の終わりに近づいた時、千秋が「いやだな。もうすぐ終わりだ」。

この言葉、ほぼ同じ言葉を私の大鼓の師匠が、さる大御所の『松風』を打たれた時の感想として聞いたことがあって。見るたびに、どうもその時の舞台のことも重なって見えてきます。

千秋の音楽と向き合う姿勢に圧倒されるとともに、私は今までそこまで入れ込んだことがあったのかな、とふと自問してしまう。そして、のだめが「ピアノ、ピアノ弾かなきゃ――!!」と走るのと、同じ感情へとつながる。私もやらなきゃ。やりたいことを、やらなければならないことを。

演奏前にシュトレーゼマンが口にする「さあ、楽しい音楽の時間デス――」って大好きな台詞です。私にとっては「楽しい能楽」なんですが(笑)

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柏木ゆげひ

大学の部活動で能&狂言に出会ってから虜→現在は会社員しながら能楽研究の勉強中。元が歴史ファンのため、能楽史が特に好物です。3ヶ月に1回「能のことばを読んでみる会」開催中。能楽以外では日本史、古典文学などを好みます。

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3件のフィードバック

  1. 水巻 より:

    はじめて立つ舞台でガチガチに緊張してるときに、ある方が
    「能を、楽しまないと」
    というてくださったことが思い出されます。
    「のだめカンタービレ」はアニメしか観てませんが、観た後はまた能のお稽古をしたくなりました♪……実行には至ってませんが。
    ちなみに、
    杉・のだめ・信太朗師 と心の中で呼んでいるのは、私だけでしょうか?私だけですね。

  2. ★水巻さん
    素人なら特に、舞台は楽しまねばなりません。
    楽しむために真剣に取り組む。それでこそ。
    >>実行には至ってませんが。
    至って下さいよ(笑)
    >>杉・のだめ・信太朗師
    ええっ!? イメージが全然違うんですけど…。

  3. 水巻 より:

    イメージは…むしろ逆かもしれませんね…。
    二人の共通項は
    「潜在能力の豊かさ」
    「予測不可能なパフォーマンス」
    と、見ています♪勝手に。