雨柳堂夢咄 波津 彬子 朝日ソノラマ 2002-06 by G-Tools |
今更書くのもなんですが、私はまんが好きです。先日、まんが家ファンサイトの掲示板で「新たに読む良いマンガを教えて下さい」と書いたところ、いろいろ教えていただきました。早くお礼を書くべきところなんですが…大量に「能楽の淵」の公演情報を追加したりしていて、放ったらかしにしてしまってました。どうしても自分のサイトを優先してしまう浅ましさ(^^;)
ところで、その書き込みを読まれたのか、能楽堂でお会いした方に「能が好きなら、これにも多分ハマる」と、波津彬子さんのマンガ『雨柳堂夢咄』の文庫本を渡されました。この方のまんが、初めて読むなあ、とページをめくり始めた結果。見事にハマってます(笑)
この『雨柳堂夢咄』は短編連作なので、ストーリーは書きづらいのですが、舞台となるのは骨董屋の雨柳堂。店主の孫で、物に込められた想い(憑喪神?)を感じることができる少年「蓮」を通して描かれる、物と人の不思議な物語です。
一応は主人公の蓮は、事件の中心になることはほとんどありません。文庫1巻の解説には、『雨柳堂夢咄』を能に、蓮をワキの僧侶に例えた文章が収録されていますが、なかなか言い得て妙ではないでしょうか。(能を知ってる人にしか分からないマニアな紹介ですね・汗)
蓮は年齢も不明だし、姓も不明。祖父の店主はいるけれど、父母の話は全く出てきませんし、敢えて個性を押さえてある感じがします。その蓮が良きにつけ悪しにつけ、物に籠もった想いを昇華していくのです。
とにかく良い話が多いんですよ~。だからこそハマってしまったのですが、文庫1巻でいえば特に「朝顔写し」「はつ恋鏡」「夜の子供」が好きですね。「朝顔写し」はなんといっても、我侭お嬢さんの性格が可愛いじゃないですか(笑) 舞台となっているのは大正時代のようですが、登場人物のいろんなきもの姿が見れるのが、きものファンの私にはたまりません。特に蓮の着方は真似したいな~、なんて見方をしている時もあります。
■関連記事
→過剰色彩見本帳:雨柳堂夢咄
うわ~、雨柳堂も読んでますか~(笑)。面白いですよね、波津さんの作品も。
今市子さんの「百鬼夜行抄」も読んでおられます?
『雨柳堂夢咄』文庫本じゃない方、全巻読みました(^^;)
能を観るようになってから読み返すと、「紅葉狩と言えば鬼女がつきもの」とか「花筺の風情を思わせる」などという台詞が出てくる事に気づくんですよね~。
初めまして。『過剰色彩見本帳』の蒼井紅音です。
今回は、うちのつたないブログにトラックバックをありがとうございます!関連記事としてご紹介までしていただき、お恥ずかしい限りです(苦笑)
でもこの作品は本当に大好きなので、繋がりが持てとても嬉しいです。素敵なお話ですよね。
柏木さんは、能や狂言にとてもお詳しいんですね!一気に読ませていただきました。大学の授業で狂言の授業をとっている程度の知識なのでほとんど分からなかったのですが(すみません)、和物にはとても興味があって大好きなので楽しかったです。着物、いいですよね(笑)
よかったらこれからもお邪魔させていただきたいです。
ご挨拶だけのつもりが、長々と失礼いたしました。それでは。
★peacemamさん
上に書いたように「能が好きなら、これにも多分ハマる」と、知人に
渡されて初めて波津彬子さんのまんがを読みましたから…ここ数日です。
『百鬼夜行抄』は名前しか知りません。
『雨柳堂夢咄』の巻末に、宣伝が載っていたりしてますね。
★そらさん
『雨柳堂夢咄』には、ちょっとした部分に能楽ほか、
古典芸能のネタが散りばめられていて、そこも好きです(^^)
「橋姫」は、能『鉄輪』でよく使われる能面の名前ですし、
水と鱗が登場しただけで、『道成寺』かな?
(あれは歌舞伎舞踊の方でしたけれど)と思ったりする
私もマニアだなぁ、とは思います(笑)
文楽人形の「松王丸」は、『菅原伝授手習鑑』だ!と
嬉しくなってしまったり。
★蒼井紅音さん
初めまして。コメントありがとうございます。
蒼井さんの書かれた文章も読みながら、この上の文章を
書かせていただきましたので、TB&リンクさせていただきました。
能や狂言を特に好んで見ていますので…その関係の文が多いと思います。
この『雨柳堂夢咄』とも、能楽堂で出会ったわけですし…。
能を知っていると、よりよく分かる話もあります(^^)
こんばんは。
解説以来覗かせていただきながら、とうとうお邪魔します(^^)
雨柳堂、いいですよねー!
ちなみに、戦前戦中に骨董商を営んでいた祖母の家の外見・間取りは、雨柳堂にそっくりだったりします。
こんにちは、花兎さん。コメントありがとうございまーす。
『雨柳堂夢咄』は2・3話目には引き込まれていました。
お祖母さまが骨董屋を営まれていたなんて、ステキですね!
軒先に柳の木を植えれば完璧です(笑)