数日前の話ですが、後輩の大学能楽部の春合宿へ参加してきました。ところはみ吉野の。山中深き宿にして。(ちょっと謡っぽい?) 毎年、能楽部で使わせていただいている宿なんですが、能『二人静』の舞台となっている勝手神社からすぐの場所です。
休みは一日しかなかったのですが、泊まれなきゃ合宿の醍醐味がない!ということで、夜に仕事が終わったら、その足で吉野行き近鉄特急(終電でした)に飛び乗ります。特急列車のふかふかの椅子で、気づけば寝ており、終点吉野で車掌さんに起されました(笑) そこから事前に電話して来てもらっていたタクシーに乗り、宿到着は0時過ぎ。迷惑な先輩ですね。
そこから3時過ぎまで宴会。ビールはともかく、怪しげなお酒がいろいろあって(笑) 今の能楽部には、そんなに酒豪はいないだろうに、なんでそんなに種類があるんでしょう? で、強そうなお酒ばかり、私の前に注がれる(笑) 宴会終了後は仕事の疲れもあり、すぐに意識を失いました。
朝の稽古は9時から。私が時間までに準備が整わず、とりあえず着物だけ着て、袴は手に持って慌てて出てきたら。後輩から「今から落語を一席?」と。そりゃ落語も好きだけどさ(笑) というか、現役生は全員ジャージで、着物姿は私だけ。少し気合が空回りしてたかもしれません(^_^;)
稽古の曲は、新入生歓迎公演向けの仕舞『土蜘蛛』と素謡の『高砂』『羽衣』『竹生島』。一応、私は先輩ですから稽古をみる側なんですが、所詮は素人。元々あまり上手な方ではありませんし、ましてや最近は稽古に通えてもいないわけで。大した技術も経験もありません。ただ、今までにいろいろ見てきた舞台のことや、先生方からお聞きした話、自分が稽古した時の経験などを、少しは伝えることができたかな、と思うのです。
後輩たちが頑張って稽古している姿を見るのは楽しかったです。大学生活の間にできることって多々あるのに、その中で能楽を選んでくれているのは、部活動の先輩として、そして能と狂言のファンとして嬉しいのです。
私自身としては、環境の良いところで、久しぶりに一日中謡って舞って、リフレッシュできました。春合宿が普段より時期が遅いようで、少しは桜が咲き始めていましたし、時折聞こえてくる鶯の鳴き声がなんとも心地よかったです。
最後は宿向かいの葛きりのお店で、葛ぜんざいを食べました。吉野に行ったら、決して外せない楽しみです。
★今回の失敗
葛きりだけに『国栖』キリの謡を謡おうと「和光利物の御姿~♪」と呟いていたら、後輩に「それは『嵐山』のキリです」とツッコまれました。…シテが同じ蔵王権現ということで、間違えました(苦笑) ちなみに『国栖』キリの正しい文句は「すなわち姿を現して~♪」です。
勝手神社の近くとあらば、どうやらゆげひさんの大学も、うちのサークルとよく似た場所で春合宿をなさっているようですね。駅前のさくらソフトが美味しいですね(^^)
夜中であろうと来てくれて、しかも宴会にまで参加してくれるOBなんて、いい先輩ですよ~w
一日思う存分稽古して、リフレッシュ出来てよかったですね♪
合宿って、大義名分の元でほかのことは全て忘れて謡って踊って出来るのが嬉しいです。私は人生に疲れると「あー、合宿したい!」と思ったりします(笑)
さくらソフト!
行った人間ならではのコメントありがとうございます(^^)
私、普段はお金に関してケチな人間ですが、
合宿に行くと、開放的な気分になるのか、
いろいろ買い食いしてしまいます…。
今回は葛ぜんざいだけでしたが、
駅前のさくらソフトも、もちろん(笑)
合宿に先輩として稽古を見に行く、という名分ですが
結局は、後輩と遊んでもらうのと
大好きな謡と舞を存分に堪能するって機会だったわけです。
学生っていいなぁ、と改めて感じました。
ところで、学生のころは謡はあまり好きじゃなかったんですが、
(というか、舞のほうが楽しくて、舞ばかりやっていた感じが)
最近、謡の楽しさが分かってきて、素謡好きになってきました。