くずし字を自習するには
くずし字を自習せねばならないことになりました。
一応、大学で歴史学を専攻していたのですが、用いた資料といえば専ら「国史大系」など活字に翻刻されていた本だったので…くずし字に関しては全く知識がありません。中世史専攻の友人が古文書学の講義を取っていたのを「ご苦労様~」と他人事で済ましていたツケがこんなところに来るとは(苦笑)
とりあえず読む本がないと困るなと思い、図書館から表章・伊藤正義編『風姿花伝 影印三種』(和泉書院、1978年)を借りてきました。どうせなら能楽関係の本にしよう、と世阿弥が最初に著した能楽伝書を選んでみました。通称「金春本」と呼ばれる、元金春家伝来の本の写真が収められています。
夫 申楽延年乃ことわさ其源を尋る尓 或佛在所より…
このあたりで既にお手上げ状態(笑) まあ、教習所にも行かずにいきなり車で公道を走ろうとしたようなもので、当然といえば当然です。部屋に転がっている日本思想体系『世阿弥 禅竹』(岩波書店、1974年)を見れば正解は載っているのですが、それでは意味はありませんし。
くずし字自習の手引きってあるんでしょうか。
懐かしい。
学生時代の必須単位にありました~
クラス中のほぼ全員が「正解」見ながらやってましたが(^^;
今振り返ると、もう少しちゃんとやっておけばよかったなあ…
遠回りのようですが、ただ影印本を目で追いかけるより、くずし字を一冊まるまる書き写すことをオススメします。
まず筆の流れを自分の手で理解できなければ、草書は読めませんから……。なので影印本よりは写真、写真よりは実際の写本をお手本にしたほうが、筆の流れはわかりやすいです。
その『風姿花伝』は、くせの強い文字なので、初めてのテキストとしては、あまり……なかんじです。もう少しオーソドックスな文字から始めてはどうでしょう。たとえば和泉の影印本でも『伊勢物語』とか、芭蕉自筆本の『おくのほそみち』とか。とにかく短めの本でいいので、最後まで写してみれば、自然と読めるようになります。
以上、国文学概論を教わった先生のウケウリでした。長々と失礼しました。
ゆげひさん、お久しぶりです!
大学生の時に、「古文書研究」という講義でくずし字を読みました♪活字資料がなかったので、くずし字辞典を片手に、なんとか解読していました(>_<)
読めない字は、何度もその字をなぞって書いてみること、前後の文章を必ず音読しながら読むこと。先生からは、よくこの二点を注意されましたよ~。
音読すると、割とスムーズに読めるようになった気がします。暗号を解いていくみたいで、おもしろかったです(笑)
懐かしいですね……。
ゆげひ兄さんが思ってるものとは違うものかも知れませんが、似たような辞典??辞書はありますよ。
書道とか大学の購読演習が懐かしくなりました。
字の筆順さえわかれば意外と読めますよ。 まぁ、今読め!!と言われても困りますが……。
以上、 初書き込みでした。
笠間書院の「字典かな」¥380、これがあれば十分ですね。
私、その昔、一時は電車の中でもこれを眺めていましたよ。
後は馴れでしょう。
そういえば、堂本正樹さんだったかな?
友人が、洋書をちょっと手にとって、斜め読みし、「フムフム
こんなことが書いてあるのか」としているのが、悔しくて、
床本を一生懸命読めるよう自分で訓練し、今度は負けずに
床本を手にとって、「ああそうか、こんな浄瑠璃か」とやり返したと言う話があった記憶があります。
私、横文字は大嫌いだけど、影印本こそこんな面白いものない
と思いますね。世に色々なパズルがあるけど、そんなのやるより、影印本の読解やればいいのにと思う。
お返事が何日遅れているんだ、って話ですが、
皆様、アドバイスありがとうございます。
結局、書き込み後、休みがなく勉強する時間もなかったので
今日から改めて勉強します~。
★花兎さん
国文系だったら、必須だったんでしょうけれど。
史料講読の講義で、平安末期の右大臣・藤原宗忠の日記『中右記』を
読んだときには、翻刻本が少し不正確だとかで少しは影印と見比べる、
なんて作業もありましたが。
『風姿花伝』は、結局正解本
(鑑賞日本古典文学『中世評論集 歌論・連歌論・能楽論』角川書店、1976)
で読んでます(笑)
★水巻さん
具体的なアドバイス、ありがとうございます。
『風姿花伝』、この文字、やはりくせの強いんですか。
そんな感じはしていたんですが。
『伊勢物語』か『奥の細道』を探してみます。
『伊勢』は高校時代に好んで読んだ本で親しみもありますし、
一段一段は割と短いですし、写しながら見てみようかなと思います。
★さおりさん
活字資料がないものは、くずし字で読むしかないわけですが、
古代史は、文字史料がそんなに多くないので、それなりに
翻刻本が揃っているんですよね。だから学部レベルでは、
くずし字を読まなくてもなんとかなる部分があって。
大学でもっと勉強していればよかったです(^^;)
何度もその字をなぞる、前後の文章を音読する。
まさに暗号ですね。
★鳥井さん
初コメントありがと~。辞書があるんですね。探してみます。
活字に慣れているので、考えもしなかったですが、
筆順を見るというのは、書かれた文字である以上当たり前ですよね。
なんだか光明が見えてきた気がします。
★多聞さん
まあ、なにせ英語が苦手なんで、大学で、
日本史・国文学の世界を選択したという部分が多くて(笑)
英語も読めたらなぁとは思うんですが、根性が続きません。
でも、英語への憧れはあって、日英が並んでいる聖書だとか、
大切に本棚においてあります。
堂本正樹さん(?)のエピソード。
どちらも嫌味に感じるのは私だけでしょうか(^^;)
お忙しそうですね。
くずし字というのは草書のことでしょうか?
よく楷書→行書→草書の順で変わっていったと
思われがちですが、
篆書→隷書→草書
→行書→楷書
と流れが異なり独自の省略があるので草書は全部覚えるようにと書道の先生から言われました。
(篆書は印鑑の字、隷書は横線にしっぽ?がついた様な字
ですね)
確かに他の二つの字を速く書いても草書にはならないので
それが一番の近道かもしれませんが・・・
ゆげひさんのお勉強されている風姿花伝はどのようなものか分からなかったのですが私が検索したものはカナが変体仮名になっていました。漢字はほとんど行書で読み易そうだったので仰っているのはこの仮名の事かなとも思いました。
変体仮名は一つの仮名でも複数の同音の漢字を崩した字を使いわけるものです。だからこれも覚えれれたほうが楽かもしれません・・・
なんだか大変そうのことばかり言ってすみません。
でも実際は記号みたいなものなので慣れるときっと
すらすら読めますよ。
源氏物語の授業でしたが、書道をやっていない友人も
半年くらいで難なく読みこなせていました!!
(癖のある字だったので却って私のほうが苦労していたかも・・)
お蕎麦屋さんの看板なども読めてきっと楽しいと思います。
(『○○そば』は大抵『楚者』の変体仮名です)
お仕事も大変ですけどがんばってくださいね。
★悪源太さん
お返事遅くなりました。
草書がメインかと思いますが、その書道の勉強ではなくて、
史料として古文書が読めればという話なので、
その時その時で異なります。
篆書はあまり慣れはありませんが、遊びで書いたことがあります。
『風姿花伝』とか言っていましたが、結局何でも良いのです。
結局は読むための練習なので。
とりあえず京都造形芸術大学篇『古文書を読む』という
なかなか良さそうな入門書を見つけたので、それに載っている
古文書を順番に読んでいこうかと思います。
史料としての扱い方なども親切に解説された、好著だと思います。
とりあえず最初は「変体仮名に慣れる」ということで、
『古今茶道全書』の懐石料理の材料を羅列してある部分です。
最初の「うづら」の「ら」で引っかかってますが(笑)
解説に「『うつ』は良いだろうが、『ら』は誰でも最初は読めない」と
あって、気分的には救われました(笑)