禿物狂―カブロモノグルイ

禿物狂

ついテンションが上がってしまいました…

廃曲の能を調べていた時、これを見つけて、「ハゲモノグルイ」じゃないかと妙にテンションが上がってしまったことを告白致します(汗)

正しくは「カブロモノグルイ」だそうです。

禿(かぶろ/かむろ)とは髪を短く切りそろえて垂らした子供の髪形(『大辞泉』)で、この場合はその髪型の男児のこと。

禿(かぶろ)恋しさのあまり物狂になった男がシテなのですが、その禿は実は地蔵菩薩の化身で、最後には悟りに至るという物語のようです。

中世にあった稚児愛を仏教的に説明した説話を能に仕立てたものでしょうか。

ハゲとカブロは同じ漢字だった

この禿(かぶろ/かむろ)と禿(はげ)が同じ漢字であることについて、友人の岡田登貴さんがfacebookに面白いコメントを付けてくださりましたので、こちらにも転載させていただきます。

この「禿」という字、漢字自体の意味は「はがれる」らしく、だから毛がはがれて「はげ」というのが本来なのでしょうが、なぜ「かむろ(現代でいうとおかっば頭)」の意味で使われたのか、前々から疑問でした。「禿」には「筆の先がちびる」って意味があるそうなので、おかっぱ頭の先がぼうぼうってイメージなのかしらん。八瀬の童子なんかは大人になってもおかっぱ頭だったそうで、結構それって中世やってると気になるテーマではあるんですが。それと、「禿(おかっぱ)」の八瀬童子が「禿(毛が薄くなる)」たらどうなるのかなど、気になり出したとまりません。。。。
facebook記事より

禿(かむろ)という言葉は江戸時代に入ると、遊女見習いの少女のことを指すようにも変化します。なんでだろうか、と気になりますが、今はこれ以上踏み込む余裕がなく…今後への課題にしたいと思います。

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柏木ゆげひ

大学の部活動で能&狂言に出会ってから虜→現在は会社員しながら能楽研究の勉強中。元が歴史ファンのため、能楽史が特に好物です。3ヶ月に1回「能のことばを読んでみる会」開催中。能楽以外では日本史、古典文学などを好みます。

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