梅若丸と赤松裕一くん

 私が愛用する手帳は吉川弘文館の「歴史手帳」なんですが、この手帳、日本各地の寺社などで行われている年中行事が載っています。来週のページを開けると、4月15日のところに「梅若忌 東京都墨田区,木母寺」と書かれています。

 これ、能『隅田川』の子方・梅若丸の供養行事ですよね!? 昨日の公演って、まさに良い時期に演じられたんだなぁと感じました。ちなみに木母寺は、元は梅若寺ともいったそうで、今の寺号も「梅」の字を分けたものだそうです。

 もっとも『隅田川』で語られる梅若丸の忌日は「去年三月十五日」。1ヶ月違いますし、旧暦・新暦の違いもあります。ついでに『隅田川』にははっきりした原典が不明なので、寺と能と、どちらが先なのかははっきりませんけれどたらーっ 能『隅田川』の伝説に基づいて、後で作られた寺である可能性も…。

 それでも、能や狂言ゆかりの場所を尋ねるのが好きな私としては、いつか絶対に行きたい場所となりました。

 ところで、昨日の『隅田川』で、その梅若丸を好演した赤松裕一くん。来月5月28日(日)に大槻能楽堂で能『小鍛冶』のシテを演じます。お父様である赤松禎英師門下の素人会「赤松禎韻会」の最後の話。ちなみに配役は

★観世流能『小鍛冶』
 前シテ(童子)/後シテ(霊狐)=赤松裕一
 ワキ(三条小鍛冶宗近)=中村彌三郎
 ワキツレ(一条院の勅使)=広谷和夫
 アイ(宗近の下人、もしくは末社の神)=茂山逸平
 笛=斉藤敦 小鼓=上田敦史 大鼓=辻雅之 太鼓=三島卓

です。その直前に裕一くんのお姉さんも、番外仕舞として禎英師と『二人静』を舞うようです。番組に何時始めかは書かれていませんが、終了予定が18時ぐらいですから、16時半ぐらいから能楽堂にいれば大丈夫かと思われます(笑)

 もちろん素人会ですから入場無料です。楽しみですね~。仕事休みだったら良いな…(笑)

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柏木ゆげひ

大学の部活動で能&狂言に出会ってから虜→現在は会社員しながら能楽研究の勉強中。元が歴史ファンのため、能楽史が特に好物です。3ヶ月に1回「能のことばを読んでみる会」開催中。能楽以外では日本史、古典文学などを好みます。

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