私は絵画なんてよく分からないのですが、高校生の最後の頃、ふと思いたって近代日本画家の画集を図書館で片っ端から見て回った時期があります。
分からないなりにも、その頃以来ずーっと好きなのが日本画家の上村松園さん(1875-1949)。とにかく綺麗で品のある女性を描かれる方で、1948年には女性として初の文化勲章を受賞されています。
上村松園さんの絵を好んで見るきっかけになったのが『花がたみ』という作品。綺麗だけど怖い。怖いけれど綺麗。画集の解説には、越前国から都に上った継体天皇を慕い、恋に狂った女性を描いたとあります。継体天皇は6世紀の天皇ですから、その時代を描くのに十二単っぽい服が描かれているのは変だと思いましたが、その違和感以上に強烈に引き込まれるものがあったのです。
今は分かりますが、これ、能『花筐』に取材した作品なんですね。上村松園さんは、この作品を描くころから金剛巌(初世。能楽シテ方金剛流。1886-1951)に謡を習っていたそうで、生涯の趣味となりました。「謡曲に描かれている事象はすべてこれ絵の題材と言っていいくらいでしょう」と仰っているそうで、『花がたみ』の他にも能から構想を得た『序の舞』『草紙洗小町』といった作品などを描かれています。
私が大学に入って能と出会ったのは、上村松園さんの作品とは全く関係ないのですが、やはり能を通じて松園さんの作品への想いもより深まりました。ちょっと恥ずかしいのですが、正直、少しは運命めいたものを感じていたりします(^^;)
その上村松園さんの特別展「生誕130年記念上村松園展」が現在、松伯美術館で開催中ということを知りました。これは私としては見逃すわけには行きませんね!
生誕130年記念 上村松園展 公式ページ
10月25日(火)~11月27日(日)
会場:松伯美術館(奈良市登美ヶ丘)
開館時間:10時~17時(※入館は16時まで。会期中無休)
一般:1,000円、小中学生:500円、20名以上は1割引。
列品解説 10月25日(火)・11月14日(月)10時半~
上村淳之(日本画家。松伯美術館館長にして上村松園さんのお孫さんです)
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→「上村松園展」に行ってきました(実際に行ってきた感想)
まあ~!!柏木さんも松園がお好きとは!!
嬉しい~~~!!
松伯美術館は、家から近いですし、雰囲気も好きですので
開館当初から行っております。
地方に行った時に、たまたま立ち寄った美術館で松園の絵に出会えた時の幸せな事ってなかったなぁ(笑)
13日までなら「雪月花」が観れますよ。
(ご存知かもしれませんが、貞明皇后の依頼を受けてから完成までに約20年かかったという作品です)
ちなみに文楽劇場のロビーには松篁さんの絵と佐伯氏の胸像のありますよ。
へええ、ゆげひさんは上村松園さんの絵がお好きですか!私も好きですよ。美人画は松園が一番美しいと思います。男性画家の描く女性にはない美しさがあると思います。
息子の松篁さんは残念ながら母親の生きているような筆は受け継がなかったようで静かな花鳥画が多いようですが孫の淳之さんの筆使いはちょっと似ている気がします。
日本画と言えばやっぱり京都画壇ですよねえ、ここでも悔しいけれど西が優勢ですね(笑)。私が一番好きなのは風景画ですけれど。
★かえでさん
絵画が分かるような人間ではないのですが、
「なんとなく大好き」なのが上村松園さんです。
松伯美術館が家から近いなんて羨ましいです。
上村松園・松篁・淳之三代の絵を集めた美術館があるなんて
知った時から行こう、行こうと思うばかりで
実際には足を向けてませんでしたが、今回は行こうと思います。
「雪月花」も見れるのですか!
中でも『枕草子』の「香炉峰の雪いかならん」のイメージの、
「雪」の絵が、透明感があって好きです~。
13日までに日を作って行かねば!
★peacemamさん
別に美人画や日本画を見比べた、ってわけではないのですが(^^;)
ホント「なんとなく」、でも「大好き」です。
息子の松篁さんは、ちょっと雰囲気が違いますよね。
やはり綺麗だとは思うのですが、人物はあまり書かれませんし。
孫の淳之さんの絵はあまり見たことがありません(^^;)
画壇なんてよく分からないです~。東西で違うものなんですか?
単に好きだった画家が京都出身だったというだけの話です。
この前も、父と「文化は西の方が厚くて濃くて、こっちはもう全然かなわないよね」という話をしてきたばかりです。私は絵の中でも日本画が好きで、習っていた時期もあります。引越して遠くなったためにやめて、もう何年も描いていません。「これが観たい」と思う絵はほとんどが京都などの美術館にあります。山元春挙という滋賀の膳所出身の画家が大好きなのですが、滅多に観れません。
絵にご興味がおありとは、以外でした。また、違った一面を見せていただいたようです。私も上村松園さんの美人画が大好きで、好きに理由は要らないと思います。以前、美術館に行った時、年配の男性が奥さんに、絵の批評をされていたようですが、人それぞれ、感じ方なども違うし、横で聞いていて不快な思いをした事があります。やっぱり、絵は静かに見たいですね。その時間を他の方に邪魔されるのは、嫌な気分です。所で、他の事で感想やお聞きしたい事があるのですが、意見はこちらからというフォームで送信しても、エラーで返ってきます、どうしてでしょうね。
★peacemamさん
文化は西の方が濃い?そうですか~。
昔はともかく、今はなんでも東に行ってしまった感じがしますが。
政治や経済だけではないですよね。
それにしても日本画を習っておられたとは!
今もいろいろと習いごとをされていらっしゃるようですし、
多趣味ですね~(^^)
★マリアさん
初めて書き込み下さった方ですよね?
どうやら前からご覧下さっているようで、ありがとうございます。
絵に興味…といわれるとそうでもないのですけれどね。
美術館より博物館派ですし。
美術館で奥さんに絵の批評をされる旦那さん。
なんか分かる気がします。私もたぶん似た性格だと思いますし(笑)
とはいえ、それぞれの楽しみ方があるのですから、
邪魔はしないようにしなければなりませんね。
ところで、メールフォームでエラーになるのですか!
私なりに確認してみましたが、何も起こらず、原因は分からずじまいです。
とりあえず、私の方からメールさせていただきますので、
そのアドレスに返信下さいませ。
はじめまして
ミュージアム・ピープルから来ました。
さきほど松園展のエントリをミュージアム・ピープルにTBしたところ、もうひとつ松園の記事があるのに気づきました。こちらのブログでした♪
松園ファンでいらっしゃるとのことで、とても嬉しく思いました。花がたみや序の舞、草紙洗小町はわたしも心惹かれる作品です^^
ご無沙汰しています
その節はほんとうにお世話になりました
近鉄百貨店京都店で開店85周年記念『能面による源氏・平家の世界展』が行われているのをご存知かしらと思ってお訪ねしたら、松園展についての記事があってびっくりしました。
松園展、今日行ってきたところなんですよ。
http://yaplog.jp/nara_nara/archive/26
わが家も松伯美術館の近くなんです
能面展の方は明日行く予定にしています(9日までです)
http://www.platz-kintetsu.com/event/index.html
面だけで捉えるのもおかしなものかもしれませんがついでがありますので見てきますね
★こいちゃさん
初めまして。コメントありがとうございます~。
ミュージアム・ピープルからいらっしゃって、
コメントいただいた方は初めてで、嬉しいです。
TBした甲斐がありました~。
『花がたみ』や『序の舞』、『草紙洗小町』は
能を題材にしたということで挙げましたが、
他の作品も好きです。
★kabukistさん
お久しぶりです、コメントありがとうございます~。
京都の近鉄百貨店で、「能面による源氏・平家の世界展」が
催されることは昨日、知りました。
チラシがなかなかステキですが、平家の公達の役に用いられる
「中将」という面の裏が赤いので、赤い目をしたように見え、
少々怖くもありました(笑)
松園展、今日行って来られたのですね(^^)
記事を読みに行かせていただきます~。
生誕130年上村松園展@松伯美術館・奈良
正倉院展とカフェのあと、近鉄学園前まで行って、松伯美術館の生誕130年記念上村松園展
(11月27日まで、展示替あり)へ。
わたし的には、これがこの日のメインイベント!
松伯美術館については、前回のエントリでもご紹介していますので、今回ははぶきます♪