京都観世会謡初&京都能楽会奉納

京都観世会謡初式&京都能楽会新年奉納

京都観世会館の元日

今年の元日は、京都観世会の謡初(京都観世会館)と京都能楽会の新年奉納(平安神宮神楽殿)に初めて行ってきました。

新年の最初に舞囃子《高砂》から拝見するのは清々しくて良いですね。こういう部分に能楽の儀式性と宗教とも関わる立ち位置を感じます。

京都観世会の謡初は舞囃子や仕舞でも地謡が10人以上も出ていらして、仕舞では地謡の端が橋掛かりにはみ出すほどでした。最後の祝言《四海波》は「全員」とあるぐらいで、片山九郎右衛門先生を先頭に全員集合という様子がまたおめでたさを醸し出していました。

平安神宮神楽殿へ

謡初が終わると、そのまま平安神宮神楽殿に移動して京都能楽会の奉納を拝見。最初は観世流の《翁-日吉式》。最初と最後に翁大夫・千歳・三番三の三人で正面に拝をし、面を使用しない(そのため三番三は揉之段のみ)というものでした。

続く金剛流の舞囃子《高砂》は先に見た観世流のものと比べて、型が3倍ぐらいあるほど動きまくるもので、華やかで素敵。待謡のみワキ方の有松遼一さんが謡う形でした。

この奉納を拝見しながら、私、しばらく《翁》を見てなかったんだなぁ…と実感。小鼓三丁の囃子がとても久しぶりで、三番三の揉出の大鼓をウキウキしながら聞いていました。

京都観世会謡初式

2016年1月1日(金・祝)10時半開演 於:京都観世会館
★観世流舞囃子《高砂》片山九郎右衛門
★観世流仕舞《鶴亀》林喜右衛門→河村和重
★観世流仕舞《田村クセ》井上裕久
★観世流仕舞《東北クセ》大江又三郎
★観世流仕舞《鞍馬天狗》青木道喜
★観世流舞囃子《羽衣-和合之舞》浦田保浩
★大蔵流小舞《雪山》茂山七五三
★観世流舞囃子《猩々》片山伸吾
★観世流連吟 祝言《四海波》全員

京都能楽会新年奉納

2016年1月1日(金・祝)12時半開演 於:平安神宮神楽殿
★観世流《翁-日吉式》
 翁=井上裕久 三番三=茂山逸平 千歳=分林道治
 笛=左鴻泰弘 小鼓=林吉兵衛・林大和・林大輝 大鼓=石井保彦
★金剛流舞囃子《高砂》
 シテ(高砂明神)=金剛龍謹 ワキ(阿蘇神主友成)=有松遼一
 笛=杉信太朗 小鼓=曽和鼓堂 大鼓=谷口正壽 太鼓=前川光範
★観世流仕舞《田村クセ》深野新次郎
★観世流仕舞《東北キリ》橋本雅夫
★観世流仕舞《猩々》河村和重
★金剛流仕舞《八島》豊嶋幸洋
★大蔵流小舞《三人夫》茂山七五三・茂山あきら・茂山宗彦
★観世流舞囃子《嵐山》
 シテ(蔵王権現)=浅井通昭
 笛=森田保美 小鼓=吉阪一郎 大鼓=渡部諭 太鼓=井上敬介

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柏木ゆげひ

大学の部活動で能&狂言に出会ってから虜→現在は会社員しながら能楽研究の勉強中。元が歴史ファンのため、能楽史が特に好物です。3ヶ月に1回「能のことばを読んでみる会」開催中。能楽以外では日本史、古典文学などを好みます。

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