さて、久しぶりに大鼓のお稽古のことでも書いてみます。今回、お稽古していただいた曲は『絵馬』。とにかく、長かったです(汗)
斎宮絵馬の神事を元にした能ですが、私がお稽古していただいた後半は、アマテラスがアメノウヅメ(巫女神)とタヂカラオ(力神)を従えて現れ、舞を舞って宮に入ると、アメノウヅメとタヂカラオも舞を舞い、タヂカラオが宮の扉を押し開いて、天の岩戸の故事を再現するというショー的な箇所です。
各流派によって細かい演出がかなり変わる能なんですが、観世流の場合、女神(流派によっては男神)のアマテラスが中之舞、アメノウヅメが神楽の純神楽部分、タヂカラオは神楽が直った後の神舞を急之舞の位で舞います。
急之舞を打つのは初めてですが、掛け声が追いつきません(汗) 掛け声の「タメ」の時間が急之舞に対して長すぎるのでしょうけれど…。手も何か考えながら打っていては全くダメ。自然に出るぐらいでないと付いて行けません。ツレが舞うものだからか、特に早い気がしました。
シテの舞う中之舞にしろ、仮にも「我は日本秋津島の大棟梁。地神五代の祖。天照大神」が舞うものなのですから、『吉野天人』や『猩々』が舞うものとは自ずから違って、しっかりしたものにならなくてはならないのですよね。能はパターン化された芸能だからこそ、細かい部分をより考えて打たなければならないことを改めて感じさせられたお稽古でした。
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