祖母の話

 盆なので、実家へ帰る父のお供をして祖母宅に行きました。主な役割は運転手。一番帰省ラッシュがひどい日だったそうで、高速道路でしっかり渋滞に巻き込まれましたが、ハンドルを握っている私の隣で、グ~スカと寝ている父が恨めしい(笑)

 それはともかく、夕食をいただいて風呂に入った後、祖母と取りとめのない話をしました。二人でさしむかって話したのは、かなり久しぶりです。たいがい一緒に父がいるのですが、そこは親子だけあって、話の主導権を父に持っていかれてしまうのです(^^;)

 祖母は、いろいろと昔の話をしてくれました。電灯が来たころ、テレビが来たころなんて話。畑まで藁を編んだ籠に釜とか鋤とかを放り込んだものを背負って毎日通っていた話。父が今でも車で30分以上かかる高校まで、自転車(途中からバイク)で、雨が降ろうと風が吹こうと一日も休まずに通った話。父が就職して実家を離れる時の買い物で、一銭も祖母に使わせなかった話。いろいろと面白かったです。

 今の自分より、どう考えても貧しかった祖父母の一家。けど、祖父母も父も頑張り屋だったんだなと思います。今の祖母や父を見てもそう思います。父は仕事の話を私にはほとんどしませんから、時々忘れそうになってしまいますが…。

 私は物質的に随分満ち足りてるかもしれませんが、その分、かなり甘ったれてます。祖母は時代が違うんだ、その時代はみんなが頑張っていたから普通に頑張れたんだと言ってました。祖母の言葉を否定するわけではないですが、時代がどうあれ、私にはとにかく必死さが足りません。もっと何でもハングリーに取り組まねばと、つくづく思ったのでした。

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柏木ゆげひ

大学の部活動で能&狂言に出会ってから虜→現在は会社員しながら能楽研究の勉強中。元が歴史ファンのため、能楽史が特に好物です。3ヶ月に1回「能のことばを読んでみる会」開催中。能楽以外では日本史、古典文学などを好みます。

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2件のフィードバック

  1. peacemam より:

    お父さまもご祖父母さまも立派な方なのですね。私はかな~り怠け者でいい加減に生きているのでヒヤっとしました。息子たちに「しょうがないな~」と思われないようにしなくては。

  2. 気が付いたら、身内を自慢する文章になってますか(^^;)
    でも、改めて父や祖母って凄いな、と思ったものでして、
    書かずにはいられなかったのです。
    しかし、peacememさんなら大丈夫ですよ~。
    ヒヤッとされることなんて、ありません。
    それよりも、私は父に日々「しょうがないな~」と
    思われていることだろうと思います(汗)
    声だけが父に似て、他は似てないもので。