『葵上』枕之段

 今日から大学は後期の授業始め。その1限に、能楽部顧問の教授による1回生向けの講義で、能楽部が実演と宣伝(部員不足です)ができる運びになったのですが…人員不足のため、私ともう1人のOBが応援に行きました(笑)

 部の和室で黒紋付+袴姿に着替えて行ったのですが…暑いですね(^^;) もう彼岸なんですけれど。私汗っかきですから、終わって着物を脱ぐと、肌襦袢がぐっしょり濡れていて…我が汗ながら気持ち悪い(苦笑)

 私がやったのは、後輩が打つ小鼓『葵上』枕之段の地謡。能『葵上』は『源氏物語』を元にした能ですが、枕之段はその中の、六条御息所が悔しさのあまり葵上の枕元にせまり打ち、呪いを残して姿を消す場面です。

★『葵上』枕之段
シテ「今の恨みはありし報ひ
ツレ「瞋恚の炎は
シテ「身を焦がす
ツレ「思ひ知らずや
シテ「思ひ知れ
地「恨めしの心や。あら恨めしの心や。人の恨みの深くして。憂き音に泣かせ給ふとも。生きてこの世にましまさば。水暗き沢辺の蛍の影よりも。光君とぞ契らん
シテ「わらはは蓬生の
地「もとあらざりし身となりて。葉末の露と消えもせば。それさえ殊に恨めしや。夢にだに返らぬものを我が契り。昔語りになりぬれば。なほも思ひは真澄鏡。その面影も恥づかしや。枕に立てる破れ車。うち乗せ隠れ行かうよ。うち乗せ隠れ行かうよ

 私、能の中でも特に恨み・つらみの感情を描いている曲が大好きで(根が暗いのかも・笑) そういう意味でも『葵上』は大好きな曲なんです。何度か謡ったことのある曲ですが、素人なりにも満足に謡えたことはありません。もっと謡の稽古したいです~。

 しかし、目的である受講生へのアピールは今ひとつだった感じ(汗) まあ、ヘタクソな素人学生の演技ですから、他の部分の話の持って行き方などで工夫するべきなんでしょうけれど…そういう下手でして。難しいです。

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柏木ゆげひ

大学の部活動で能&狂言に出会ってから虜→現在は会社員しながら能楽研究の勉強中。元が歴史ファンのため、能楽史が特に好物です。3ヶ月に1回「能のことばを読んでみる会」開催中。能楽以外では日本史、古典文学などを好みます。

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