2005年7月23日(土)19時開演 於:箕面芦原公園
★能楽小講座 成田達志
★大蔵流狂言『仏師』
シテ(すっぱ)=善竹隆司
アド(田舎者)=善竹忠一郎
★観世流能『土蜘蛛』
前シテ(怪僧)/後シテ(土蜘蛛の精)=山本章弘
ツレ(源頼光)=吉井基晴
ツレ(胡蝶)=長山耕三
トモ(頼光の従者)=林本大
ワキ(独武者)=福王和幸
ワキツレ(独武者の従者)=福王知登・喜多雅人
アイ(独武者の下人)=善竹隆平
地頭=杉浦豊彦
笛=野口亮 小鼓=成田達志 大鼓=山本哲也 太鼓=中田弘美
京阪神の中堅どころを集めた、かなり気合の入った配役。しかも無料とあっては行かない理由がありません(笑) 向こうでお会いした方に「箕面までわざわざ…」と言われましたが、私の自宅からだと大阪までと大して距離が変わりません。京都に行く方が大変。
町のど真ん中というわけでもなく、後ろに池を控えていることもあってか、なかなか風情のある良い感じの会場でした。気温も割と涼しくて、薪能鑑賞にうってつけ。毎年行っている大阪城薪能なんて、蒸すように熱いですから、それに比べれば快適でした。
★大蔵流狂言『仏師』
『仏師』は面白かったですが、善竹隆司師のシテは今月は2度目でもあり、前回を越えるような印象はありませんでした(^^;)
でも、アドをつとめられた善竹忠一郎師の素朴な演技が好きだなぁ…。「私はしんそこ、田舎者でござって」とか、「幸せ者じゃというて、(袖を広げながら)こう、こう見えた向きの者でござるが」とか、何故だかとても似合ってらっしゃって…。なんとなく醸し出す雰囲気というのが、本当にお上手だなと思います。
★観世流能『土蜘蛛』
能『土蜘蛛』のあらすじなどは本家サイトのページを参照ください。
『土蜘蛛』は価値を低く見られがちな能ですけれど、単純に面白いですし、良い曲だとと思います。前シテが登場した箇所の「月清き。夜半とも見えず雲霧の。かかれば曇る。心かな」の部分では、ちょうどその時にシテの後ろ側から風が吹いて、シテの不気味さをさらに際立たせるかのようでした。野外能ならではですね。
それにしてもワキが活躍する曲ですね。ほかの能なら後シテが謡うような部分も、後ワキが謡ってしまいますし(笑) 今日の福王和幸師は、かなりカッコ良い型を連発されて、気合が入ってらっしゃいました。前場の最後で、頼光の前を辞す時にサッと右袖を巻いて立ったのはとてもステキでしたし。
後場の「蜘蛛の精霊千筋の糸を繰り溜めて。投げかけ投げかけ白糸の。手足にまとわり五体をつづめて。倒れ臥してぞ見えたりける」という謡の部分では、剣を抜いたかと思うとシテから糸を投げかけられ、さっと一回転しながら退くのですが、それでも糸がかかり、合膝(片膝ずつ付いて動くカッコいい型!)をしたかと思うと、ドン、と安座! ド派手でした。
前シテ・後シテともに、とにかく糸を投げまくり。最後の「土蜘蛛の首打ち落とし」の部分では両手で投げても足りず、巣の後ろに控えた後見の方々まで一緒に糸を投げてらっしゃいました(笑) 全体的に薪能向けの派手な演出だったのですね(^^)
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→人生ハ参与観察ナリ:風流
とても派手な演出の『土蜘蛛』だったんですね~(^^)
こんなにおいしい公演が無料で観られるなんてステキ♪
カッコイイ型連発の和幸さん・・・うっとりものです(笑)
しかも後見まで糸を投げちゃうんですか??(^_^;)
何でもアリですね~。乱能並み?(笑)
乱能は実際には見たことがないですから、どんなものかは
分かりませんが…とてもド派手な『土蜘蛛』でした(^^)
乱能である、おふざけ的な意味での「派手」ではなくて、
場を仕切る壁のない野外での薪能だからこそ、の演出だと
思いますけれどね。
土蜘蛛、いいですよねえ。能を観始めた頃「能ってやっぱりとっても面白いんだ!」と確信したのはこの曲でした。六甲アイランドの建物の中で無風状態でしたので撒かれた糸が滝の水のように上からさーっと綺麗に落ちてきたのを今でも思い出します。今回箕面という場所も良さそうだったし行きたかった~!京都薪能でなさった時も後見の方が投げてらっしゃいましたよ。乱能でも拝見した事ありますがその時は橋掛り寄りの見所から糸を投げてらっしゃいました。(ちなみに亀井忠雄さんですが)
六甲アイランド能の『土蜘蛛』は、私も初めて見た『土蜘蛛』です。
派手めにしたい時には、後見も糸を投げるのは珍しくないのでしょうか。
乱能は…乱能ですからねぇ(^^;)
はじめまして。お邪魔いたします。
箕面薪能、観に行きました!
箕面なんて微妙な距離ですが、タダですもんねえ。
私は能楽小講座にやられてしまいました。釘付け。
成田さん面白かったです~!!
土蜘蛛、派手でしたね~。
初めて能を観るならオススメですよね。
和幸さんカッコよかったです、確かに、ハイ。
私の方のブログでもチョコっと観劇の感想を述べてますので、
よろしければぜひ遊びにきてください。
では。御免下さい。
こんばんは。
私が見た『土蜘蛛』も、仏倒れでばったりといったおシテに
後見の方が糸を投げかけておられましたよ~。
すごい迫力、感動モノでした♪
★ワカメさん
ワカメさん、初めまして。コメントありがとうございます。
箕面薪能、無料と聞いて、行かない理由がありませんよね。
成田先生の能楽小講座は確かに面白かったんですけれど、
うまく文章に書けなかったので、省略してしまいました(笑)
基本的に話のお上手な方ですし。
福王和幸師は人気役者なんで、私が持ち上げなくても、
褒める方は多いのですから、基本的に書かないんですが
今回は思わず書いてしまいました。
それぐらい印象が強かったのです。
また、ワカメさんのブログにもお邪魔しますね。それでは。
★ちひろさん
コメントありがとうございます。
後見も糸、というのはホントに珍しくないようですね。
私は初めて見たのですけれど。
『土蜘蛛』の後シテが倒れる時もいくつか型があって、
私が知るかぎり、膝を付く、飛安座する、仏倒れをする、と
あるようですが、今回の薪能では膝を付かれていました。
仏倒れの場合は、切戸から帰るのが基本らしいので、
背後に鏡板がない薪能では、舞台の後方を歩くのを見せるのを
嫌がったのでしょうね…。