松虫塚に続いて行ったのが住吉大社。実家からでも、京都まで行くことを考えると随分近いはずなのに初めてです。祝言能の代表『高砂』ゆかりの地であるほか、住吉明神自身は登場しませんが能『雨月』、また『源氏物語』澪標巻に取材した能『住吉詣』の舞台となってますし、住吉周辺も含めると『岩舟』や『梅枝』といった能もあって、能にゆかりの深い神社です。
イザナギが黄泉国に行った穢れを祓った時に産まれたという底筒男命・中筒男命・表筒男命という住吉三神、および息長足姫命(神功皇后)を祀っており、創建は3世紀とされてます。本当にそこまで古いとは思えませんが、8世紀には他の史書などから存在が確認されるので、古くから存在したことは間違いなさそうです。全国に2500社ほどもあるという住吉神社の大元でもあります。
祭神一柱に一棟ずつある本殿は全て国宝。確かに建物自体も中の装飾も、上品で見ていて気持ちの良いものでした。航海の神ということで大阪湾(西)側を向いてます。今は西側も陸地ですが、それこそ『住吉詣』で屋形舟の作り物が出されるように、元々は海が近かったのだと思います。
私が行った日が特別な祭日だったらしく、本殿前で祝詞の紙を見ながら唱えている人も多かったです。中には諳んじてる人も。私もちょうど仕舞扇は持っていたので、対抗して『高砂』を待謡から全部謡ってやろうかと思いました。勝手に奉納独吟『高砂』(笑)
ところで、後場最初のシテ謡「我見ても久しくなりぬ住吉の岸の姫松いく代へぬらむ」というのは、とある帝が住吉大社を訪れた時に詠んだ和歌だそうで、今でも神楽歌として歌われているそうです。
境内をぐるっと回りましたが、お祭ということで、たくさんの屋台が出てました。定番のものもありますが、品揃えがまるで100円ショップだったり、古着がやたら多かったり、着物の畳紙だけが160円で置かれていたり、神社なのにお土産物屋に置いてあるような仏像を売っていたり、端の方は妙な感じでした(笑)
その中で、いかにも偽者感溢れる黒色尉の面を発見! 売ってたおっちゃんは「古い物です」と言ってましたけど…確かに錆が浮いてましたから古いものでしょうねぇ(笑) なぜか金属製です(笑) 安ければ部屋の飾りとして買っても良いと思いましたけれど、結構な値段を言われたので置いて帰りました。値切り交渉苦手ですし。
なんか楽しかった住吉大社でした。
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