『神戸在住』

4063211045 神戸在住(1)
木村 紺
講談社 1999-08
by G-Tools

 最近、気に入ってるマンガがこの『神戸在住』。

 神戸のとある大学の文学部芸術科に通う女の子の視点で、日常を描いています。あまり大きなストーリー展開はありませんが(”非日常”が日常になった阪神大震災の話は別)、その淡々とした展開が、線だけで描かれた絵の雰囲気とうまく合って、読んでいて「なんか、いいなぁ」なんて思うのです。

 マンガの形式を使った随想フィクション、と言った方がいいかもしれません。余情があるとでもいうのでしょうか。

 何よりの魅力は、丁寧に描かれる神戸の町々。私は神戸に住んだことはありませんが、兵庫生まれ・兵庫育ちですから、神戸はとても親しみのある街です。各話の扉のページに描かれている神戸の風景を見ると、「ああ、ここ行ったことあるなぁ」と懐かしく感じたり、「こんな場所もあるんだ」と憧れを抱いたりと、神戸の町角に思いを馳せます。

 …今度の休みは神戸に行こう。そんな気にさせるマンガです。

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柏木ゆげひ

大学の部活動で能&狂言に出会ってから虜→現在は会社員しながら能楽研究の勉強中。元が歴史ファンのため、能楽史が特に好物です。3ヶ月に1回「能のことばを読んでみる会」開催中。能楽以外では日本史、古典文学などを好みます。

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2件のフィードバック

  1. ヤマのかどっこ。 より:

    神戸在住、
    僕は故郷を離れれるようになって 2年まえから
    郷愁を誘われるような形で手に取るようになりました。
    作品自体は随分前から知ってはいたと思います。
    まだ読んでいない話かもしれませんが、新神戸駅から
    新幹線がトンネルに吸い込まれていくシーン。
    帰省から職場に帰るとき、帰省で新神戸に着くとき
    吸い込まれる新幹線とホームからの景色に胸が熱くなります。

  2. ヤマのかどっこさん、お久しぶりです!
    ブログにコメントいただけるのは、初めてでしょうか。
    ありがとうございます。
    確かに神戸に愛着を持っていると、
    郷愁を誘われる作品ですよね。
    私も手に入れたのは兵庫県を離れてからです。
    新神戸駅から新幹線がトンネルに吸い込まれていくシーンですか。
    ちょっとまだ読んでない部分のようです。
    早く次も読みたいです…。
    普段、お金を使わない生活してますが、
    能・狂言とマンガだけには費やしてます(^^;)