アポロンにしてディオニソス 橋岡久馬の能 文:多田富雄 写真:森田拾史郎 アートダイジェスト 2000-10 by G-Tools |
シテ方観世流の橋岡久馬師(1923-2004)の写真集。この方の能を見たのはテレビで一度だけ。『鉄輪』でした。幕から出てきた姿は上半身が安定していない。独特過ぎる拍子あたりの謡。そんなのありか!?と一瞬目を疑うような型。…今まで見てきた能とのあまりの違いにびっくりしました。
でも、同時に一気に引きこまれたのです。「異形の能」…そんな言葉が頭に浮かびました。決して他人が真似してはダメだと思う。けれど、その芸自体は凄まじい力を持っている。東京にはこんな能楽師もいるんだ。生で見てみたいなと思っている内に亡くなられてしまいました。非常に残念に思ってます。
この本に納められた写真を見ても、『鉄輪』で受けたのと同じ、いやそれ以上の「異形」さと衝撃を受けます。多田富雄さんの文章は「橋岡久馬ほど毀誉褒貶の激しい能楽師も少ないだろう」と始まりますが、分かる気がします。『鉄輪』に魅せられた私は、大学にビデオを持って行って見せましたが、「メチャクチャじゃないですか」と笑った後輩もいましたものね。そしてそれも否定はできませんし。
ともかく、変わった方だったのだろうと思います。久習会のサイトを見ても、「普段も内弟子に用を命ずる時などはフランス語を使われた」「常に完全な正字・正仮名遣いによる候分で手紙を書かれた」などと書かれていて…変わっているのは舞台だけじゃないんだ、と思ったものです(笑)
大好きな写真集です。
久馬師を生で拝見したのは二度だけですが、今でもその舞台が脳裏に焼きついています。
橋岡久馬さん、私も忘れられない方です。
生で拝見したのは豊田市能楽堂での「無明の井」だけですが
やはりあの能はもう久馬さん以外は考えられないほどの
強烈な印象を受けました。
最近DVDで以前NHKで放送されたという「道成寺」も拝見しましたが
なんともいえない凄みがある舞台で本当に魅力的でした。
もう一度、拝見したかった・・・。
★花兎さん
テレビですら、凄いインパクトでしたもの、
生の舞台はさぞかし印象的だったことだろうと思います。
二度も直接ご覧になったなんて…羨ましいです。
★こっこさん
『無明の井』は脳死と臓器移植をテーマにした新作能でしたっけ?
何度も再演なされているようですが、シテは専ら橋岡久馬師が
勤められたようですね。
NHKで探せば、『鉄輪』以外の映像も見れますかねぇ…。
ゆげひさん。
こんばんわー
私も、橋岡久馬さんの能を是非とも観てみたかったですー!!!
知った時にはもう亡くなられていました;;(>_<)
私も多田富雄さんの本で知ったのですが、「アポロンにして~」は、まだ読んだ事ないです!
映像、観てみたいです!
国立にでも行けばみれるかしら。
今度探してみましょう。
橋岡久馬師の能の映像、凄かったです。衝撃でした。
多田富雄さんの本に、橋岡久馬師についてのものがあるのですか?
どんな書名なのか教えてください! 探してみますので。
国立能楽堂って、映像なども閲覧できるんですよねぇ~。
東京が羨ましい…。
多田さんの本ですが、橋岡久馬さんについてのものではないです。
ちらちらと名前が出てくるだけなんですよ。
本の題名は、「脳の中の能舞台」です。
私が、唯一読破した能の本,,,,,(^^;;
良かったです!
ゆげひさんも東京においでくださいな。
….でも、お仕事忙しいですよね。
多田富雄さんの本の紹介ありがとうございます。
『脳の中の能舞台』ですか~書名だけは知ってました。
多田富雄さんの文章は好きなので、
今度ぜひ読んでみようと思います。
そのうち、東京に行きたいですね。
連休とか取れるようになったら是非とも。
久馬?さんは他の能楽師の方と比べて独特だったのですか??
★孫さん
初めまして。書き込みありがとうございます。
かなり独特な方だと思いますよ~。
探せばビデオは存在すると思いますので、
ほかの方の演能と見比べてみてくださいませ(^^)
ありがとうございます。けどそれは、大丈夫。(^_^)
てか、NAME見ればわかるんですケド孫です。
この前、インターネットで先生のことを調べたら、すごいけなす事が書いてあるサイトがあって、すっごい腹がたったんです。そしたら、みなさんのようにすごく高い評価をしてくれる人がいてすごく嬉しかったです。
橋岡久馬師のお孫さんなんですか!?
多田富雄さんの文章にあったように、
毀誉褒貶の激しい方だと思いますよ。
私は好きだなと感じましたが、
人によっては受け入れられない場合もある気がします。
「けなす」ことはどうかと思いますが、橋岡久馬師の能に
限らず、何事でも受け手によって、評価は変わりますものね。
多田富雄(文)・森田拾史郎(写真)『アポロンにしてディオニソス 橋岡久馬の能』
アートダイジェスト刊
柏木さんのブログで紹介されていたので興味を持った。橋岡久馬の「鉄輪」を見た柏木さんは、あくまで〈異形の能〉であると断りながらも、妙に引き込まれたと書かれていた。
橋岡久馬については、以前Jさんからも教わったことがある。Jさんは彼