8月4日(木)~7日(日)まで、兵庫県尼崎市にあるピッコロシアター(兵庫県立尼崎青少年創造劇場)で、行われた狂言体験教室「ちゃっと!狂言」に参加してきました。講師は狂言方大蔵流の善竹隆司師と隆平師のご兄弟です。受講者は小学1年生から60代まで、という広い年齢層で、中には孫と参加というお祖母さまもいらっしゃいました。
今年3回目となるものだそうですが、4日間、必死にセリフと型を覚え、家に帰ったら、疲れてぐっすり寝るという日々を過ごしました(笑) 今回の曲は『盆山』の後半か『蟹山伏』でしたが、私は『蟹山伏』の山伏役をさせて頂きました。
★狂言『蟹山伏』あらすじ
修行を終えた山伏が強力を従えて帰国の途中、カニの精が飛び出してきます。強力が金剛杖で打ちかかると却ってはさみに耳をはさまれてしまいます。山伏が行法で離してやろうと様々に祈りますが、カニの精は逆に強力の耳を強くはさみ、ついには山伏まで耳をはさまれてしまうのでした。
態度が大きいわりに、実は小心者という山伏を演じるのはとても楽しかったです。「こなたのことを世上で生き不動じゃと申しまする」と召使の強力に言わせて、「定めてそうであろう」と悦に入る。そんな山伏の性格は私自身に通じるな、と思いつつ。
最終日の発表会の後、隆司先生に「柏木さんは、落ち着いて山伏を演じてらっしゃいましたね。特に祈りの呪文が良かったです。数珠も良く鳴ってましたし。擦るのは難しいのですよ。…狂言をどこかで習われたりしたことがありますか?」との講評を頂きました。いえ、「狂言は」習ったことがありません(^^;) 今までに何度も狂言を見てきた経験と、能の稽古を受けた経験があるためでしょうか…。
実は本番で、私がカニに耳を挟まれた強力に対して「みどもが一祈り祈って、祈り退けてやろう」というと、強力の役の方が「何がさて、祈り…退けてくれい!」と仰り、命令されてしまいました。正しくは「祈り退けて下されい」なんですけれど。ですから私、ちょっとムッとしながら「心得た」(笑) こんなハプニングは素人だからこそですね。
あと、本番には綺麗な足袋をと、新品の足袋を履いたのですがダメですね。カニが出てきて、びくつきながら「それへ出たは、な、何者じゃ!」と問い質す箇所では、恐る恐るカニの方向へ近づいてドンと拍子を踏んで威嚇したら、すぐに体を返して元の場所まで戻らねばならないのですが、そこで滑りそうになってしまいました(汗) 前に能で激しい曲を舞った時にも思い知ったはずなのに、また同じ過ちを繰り返す。我ながら成長のない…(^^;)
ひとつのことに懸命に打ちこむことのできる、とても楽しい4日間でした。丁寧な指導をいただいた隆司先生、隆平先生に感謝です。来年も同じ時期に開催されるようですので、狂言に興味のある兵庫・大阪の方はぜひ(^^)
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→能や狂言の体験講座
狂言ワークショップ その1
ITIでは、毎年夏に伝統芸能のワークショップを開催しています。
今年度は、8月23日から9月1日まで、
狂言のワークショップを開催しました。
毎年、講師の先生方にはそうそうたるメンバーをお招きしています。
今年は、野村万蔵先生に「棒縛り」「茸」(くさびら)と
狂言の肩衣の柄ってとても大胆でユーモラスで大好きですが、“菊紋”や“月に桔梗”や“三つ兎”などの柄も、肩衣が使用される演目やその柄の肩衣のお家と何か由来ってあるのでしょうか? 知っていますか?
つかさん、はじめまして。
狂言の肩衣の柄は、本当にいろいろな柄があって、
見ていてあきませんよね。
演目に合わせて、使用する肩衣を変えるということは
あると思いますが、詳しい事はあまり存じません。
お役に立てずに申し訳ありません。
学生の頃祇園祭の奉納狂言と称して『蟹山伏』を演じさせて頂きました
『やれやれ』
『やるまいぞ やるまいぞ』
もう30年近く前の事です(^w^)
今日は宵山 余りの懐かしさにコメントさせて頂きましたm(_ _)m
★ちゃおさん
コメントありがとうございます!
やはり自ら演じた思い出は一生忘れられないものですよね!
(という私はストレートプレイしか演じたことはありませんが。いわゆる学芸会でございますね^^;)
ちなみに今年の「ちゃっと!狂言」は8月7日~10日です(今年は「呼声」と「盆山」)。
もう一度お狂言をされてみるのは、いかがですか?
観るだけでしたら、その前、7月19日(土)には同じ会場(ピッコロシアター)で「子供と楽しむ狂言会 ピッコロをかし博2008」もあります(もちろん大人だけでもOK)。
祇園祭、山鉾巡行は明日17日ですね!