桂米朝一門会in南座

桂米朝一門会in南座

 結局、桂米朝一門会へ落語を聞きに行きました。ついに能・狂言より落語を優先する日が来てしまうとは(笑) 不足している”能度”は、来週の「TTR能プロジェクト公演2006」の『望月』で補給したいと思ってます。

桂米朝一門会
◆7月7日(金)18時~ 於・南座
★『子ほめ』桂吉坊
★『浮かれの屑より』桂文我
★『鴻池の犬』桂千朝
★「よもやま噺」桂米朝
★『胴斬り』桂南光
★『肝つぶし』桂ざこば

 最後のお二人、桂南光さんと桂ざこばさん。…そういえば落語家だったんですね(ぉぃ) 特にざこばさんは、米朝事務所所属の中では現在は米朝さんの筆頭弟子だというのに。テレビの情報バラエティ番組などでお見かけする方が多いイメージなので、つい。

 ともかくも感じたことは生の落語は良い!ということ。今までだって何度か落語会には行ってるんですが、CDを聞き始めたのは最近のこと。30枚ぐらいは聞いたと思うんですけれど、それだけ聞いてから生の落語を聞くと、声だけのCDと生の落語で伝わってくるものの違いを感じました。

 特に桂米朝さん。もう出てくるだけで、拍手の大きさが、客の期待がほかの人と違うんです。これが最後の落語かもしれないとブラックな冗談で笑わしながらも、米朝さんが噺に入ると客席がシーンとしてしまう。何をするのか、見逃さない・聞き逃さないために、こちら側が思わず集中してしまうんですね。凄い芸人だと思いました。

 「よもやま噺」となっていますが、つまり何をされるのかは当日のお楽しみ、ということ。実際には「親子のつんぼ」「つんぼの川渡り」という小噺二つから『始末の極意』へ。…聞いて噺の名前が分かるようになったのは、我ながら落語に染まってきたな、と思います。

 『始末の極意』。「始末」というのは節約というかケチのことなんですが、CDではオチが今ひとつ分からなかったのがやっと分かりました。仕草がオチに重要なんですね。そういう意味でもやはり落語は生で聞いていきたいですね。


 さて、他の出演者のことはいちいち書いているとキリがないのですが、お一人だけ。前座のような立場で最初に登場された桂吉坊さん。先々月の能楽教室に登場されたことで、気になっている方なのです。

 パンフレットには「お茶汲み人形」、本人も「落語界のえなりかずき」と名乗ってましたが、とにかく若く見える方です。”吉坊”という名前もとても似合います。しかし故・桂吉朝さんに弟子入りされて、既に8年目なんだとか。

 実は私と同い年のはず。私は割とおっさん呼ばわりされることの多いので、年下に見られるのはちょっと羨ましいです。でも、それより羨ましいのは好きな芸道の道を邁進されていること。落語だけではなく古典芸能全般はお好きだそうで。

 去年にNHKで放送された『知るを楽しむ 米朝の上方歌舞伎案内』では、米朝さんの相方として、孫弟子から抜擢されてましたもんね。能楽教室に登場されたように、能・狂言にも通じているようです。他の能会でも客席でお見かけしましたし。今度見つけたら声をかけてみよう(笑)

 噺はまだお若いからか、ひたすらまくし立てるように話してらっしゃったのが、ちょっとマイクに拾われきれずに聞き難い部分もあったかな。でも、言気の良い語り口が良かったです。明るく笑わせていただきました。

 また落語会行きたいですね~。”桂吉坊”で検索していると、秋に山本能楽堂で会を催す予定もあるということなので、チェックしておこうかと思います。

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柏木ゆげひ

大学の部活動で能&狂言に出会ってから虜→現在は会社員しながら能楽研究の勉強中。元が歴史ファンのため、能楽史が特に好物です。3ヶ月に1回「能のことばを読んでみる会」開催中。能楽以外では日本史、古典文学などを好みます。

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6件のフィードバック

  1. tico より:

    やんや!やんや!\(^_^)/
    吉坊さんはどうしても「きちぼうちゃん」って言いたくなりますね。マイクを使わない小さな小屋で見た時はハキハキとしゃべられてよく聞こえましたよ。
    米朝師匠はほんとに国宝そのものですね。生き字引ですね。(こういう時に落語ファンは「生き地獄や」って言うのですが、なんのネタかわかったらかなり慣れてきておられるということでしょうねえ。)
    私の能度は全然あがりません…。プラトニックラブのような?(汗)変なたとえですみません。

  2. 迷月 より:

    落語を習っている私よりも、
    柏木さんの方が落語に詳しいみたいですね。
    桂吉坊さんは、私も興味が有ります。
    背格好が私と、よく似ていますので。
    (年齢は全然違いますが。(^^ゞ)
    大和座の安東先生のところには、
    吉坊さんからの年賀状が毎年届くそうです。
    吉坊さんの学生時代からのお知り合いだそうです。
    私は、米朝師匠よりも春團冶師匠が好きです。
    初めて春團冶師匠の落語のテープを聴いた時、
    テープの中に、春團冶師匠以外の人が、
    もう一人喋っている様に聴こえました。
    びっくりしました。

  3. ★ticoさん
    コメントありがとうございます。
    私、吉坊さんの落語を聞くのは二度目なんです。
    ブログには書いてませんが、先月の、
    桂わかばさん(ざこば一門)の「わかばDEきまる」という落語会。
    その時に「ゲスト桂吉坊」とあったので、行ってました(笑)
    「私がゲスト。何かの間違いではないか、と思いました」なんて
    仰ってましたけど(笑)
    小さな会場で、その時はとっても楽しませていただきました。
    噺は「お楽しみ」とありましたが、夏らしい『蛇含草』でしたね。
    ただ私って「溶ける」とか苦手なんで、
    最後のオチが、ちょっと薄ら怖い(笑)
    それが寒さを誘って夏向けなのかもしれませんけれど(笑)
    「生き地獄や」っていうのはよく分かりません(^^;)
    まだまだですねぇ。
    また能会にも出かけられて、"能度"をガンガン上げてくださいね。
    ★迷月さん
    コメントありがとうございます~。
    >>落語を習っている私よりも、
    >>柏木さんの方が落語に詳しいみたいですね。
    そんなわけはないですよ。まともに聞くようになって
    まだ4ヶ月ぐらいですもん。しかもCDばかりですし。
    桂春團治さんのCDも聞いてます。
    あと、CDで結構好きなのが先代の桂文我さんと
    先代の林家染丸さん。
    今の林家染丸さんが私を落語の世界に誘ってくれた方
    (効果が出るまで、ちょっとかかりましたが)なので、
    ちょっと思い入れがありますね。
    また染丸さんの会にも行きたいものです。

  4. tico より:

    「生き地獄」ね!
    「つる」を聞いてみてくださいね。

  5. 「つる」というのは噺の名前なんでしょうか?

  6. tico より:

    はい。噺の題名ですよ。
    いつか「生き地獄」に出会えますように~。
    こういう噺の一部の言葉を会話にちょこっと差し挟んで笑うというのが落語ファンではよくやることです。それが習い性になっている為、一般社会から浮いてしまうというサガを持っています。(笑)