NHK落語名人選 (98) : 八代目 雷門助六 (八代目)雷門助六 ポリドール 1996-12-21 by G-Tools |
ふと落語のCDが聞きたくなって、いろいろ見ていたら収録されている噺の題に『高砂や』とあるのを発見。早速聞きました
大店の若旦那の結婚の橋渡しをした縁で、仲人をすることになった男。しかし、勝手が分からず近くの隠居のところに相談に行きます。ご祝儀に『高砂』の一節を謡わなければならないと言われ、急いで稽古してもらいますが上手く行かず、豆腐屋の真似で誤魔化して「高砂や。この浦船に帆を上げて」の部分だけは何とか覚えます。
当日、「…帆を上げて」と謡い「後はご親類方で」と済まそうとしますが、「親類一同不調法にございまして、続きもお願いいたします」と言われてしまう。再び「帆を上げて」「上げっぱなしでは困るんですが…」「帆を下げて」「下げては困りますな」「風がない」「風がなくても下げては困ります」「(涙混じりに)また上げたァ」
いや~爆笑しました。能『高砂』の後半、阿蘇の神主・友成が高砂の浦から住吉に向けて移動する道行の謡「高砂や。この浦船に帆を上げて。月もろともに出汐の。波の淡路の島影や。遠く鳴尾の沖過ぎて。早や住江に着きにけり」が見事に元ネタになっています。昔は結婚式の定番だったんですよね。
噺は最後に「婚礼にご容赦」と言って終わるのですが、これだけはあまり分かりませんでした。調べてみると、昔、巡礼の人が門口に立って「巡礼にご報謝」といって布施を乞うていたそうで、それをモジったものだそうですが…今となっては理解するのは少し難しいですよね
謡を謡う時には姿勢を正して扇子を構え、目八分(目の高さよりやや下がったところ)のところを見て謡う、なんてレクチャーの内容は、少し忘れてかけていた注意点を思い出させてくれました。また謡われる謡が立派で、なかなか堂に入ってます。
『高砂や』と一緒に収録されている噺は『七段目』、こちらは歌舞伎がネタです。歌舞伎狂いの若旦那と小僧が『仮名手本忠臣蔵』七段目の真似をしている内に起こるドタバタを描いています。
私は『仮名手本忠臣蔵』は五段目・六段目しか見たことがありませんが、続く七段目には六段目で夫の為に身を売ったお軽のその後も描かれるようで、この落語を聞いている中に見てみたい、と思ってきました。
噺の中で歌舞伎の真似が数多くなされるのですが、これも八代目雷門助六さんなかなかにお上手で、噺の本筋以外でも聞き入ってしまいました。
ゆげひさん。今晩わ☆
私も先日、初めて落語を聞きに行きましたよ。
中でも、NHK番組「ためしてがってん」でお馴染みの立川志の輔さんの落語が良かったです。
「蜆売り」(鼠小僧の話です)という話だったのですが、笑わせるだけ落語じゃないんだなぁ。
と、初めて知りました。
感動話でした。
高砂やも、他の落語のちらしの番組の中にあって、高砂やが題材の話もあるんだなぁ。
と興味深く思ってました。
しかしながら、落語もいいものですね。
木白山さん、こんばんは。コメントありがとうございます。
私が落語を聞くようになったのは去年、大学で
林家染丸さんの授業を受けたのがきっかけです。
上方特有のハメ物(囃子)入りの落語を聞いたり、
いろいろ楽しい経験でした。
他の記事で書きましたが、先代の林家正蔵さんのCDに
収録された落語は、笑いどころはないのですが、
江戸時代の風俗を丹念に描いて、"聞かせてくれる"噺でした。
『高砂や』以外に、能ネタの落語としては
『船弁慶』を聞いたことがあります。
去年に亡くなられた桂文枝さんの語りです。
http://blog.funabenkei.daa.jp/?eid=68696
落語も面白いです。
CDでここ1週間ほど、1日1番ずつ聞いてます(笑)
明日から桂米朝さん(人間国宝)を聞く予定で楽しみです。