映像進級製作展『石橋』

 京都精華大学・映像分野3回生進級製作展を見に、阪急「烏丸」駅からすぐの「cocon karasuma」まで行きました。展示映像の中に『石橋』という作品があって、これ、能『石橋』をテーマに製作されたものなんです。

 その『石橋』作成のための資料集めに私、少しだけ関わらせていただいたんです。その時点でもかなりのクオリティだったことと、そして作成した学生さんの、生の能を見たことがないながら、いろいろと熱心に調べてらっしゃったその姿勢を見て、完成作品を見るのをとても楽しみにしていたのです。

 ただ、細かい会場が分からない(苦笑) 京都精華大はcoconの3階に「shin-bi」という名前のギャラリーと店とを兼ねたような場を持っているらしいので、そこかなと思っていたのですが、その「shin-bi」を覗いても今やっているのはプロの映像作家の作品展らしく、学生の作品は見回してもそれらしいものがありません。

 あれ?と迷って3階をうろついていると、どこからか能管の音が聞こえてきます。その音に導かれてなんとか発見しました。能の音楽ってやっぱり特徴的ですね(笑) 「shin-bi」の隣ですが、入口は別でした。

 どんな映像なのか、上手く表現できないのが情けないですが、見ての感想。大したものです。凄いです。全部で14作品が展示されていたのですが、学生でこんな立派な映像が作れるんですね。中には何を表現しているのか、分かり難いものもありました(芸術系には疎い、私が言ってることですけど)が、笑えるものあり、カッコ良いものあり、なんだかホッとするものあり。映像編集などは全く分からないので、ただただ感心するばかりです。

 その分、クラブ活動をするような時間は全然ないらしいですけれど、その分、必死に学部でするべき勉学に励んでいる感じでホンマに凄いなぁと思います。私の場合、大学では日本古代史専攻でしたが、能楽にハマって本業は疎かにするし、そうでなくても国文学や外国史に寄り道しまくりでしたから、結局何を勉強したのかはっきりしないですもんね(苦笑)

 新3回生ということは大学生活も折り返し地点。これからも頑張って、もっと上のレベルを目指してくださいね。

 京都精華大学・映像分野3回生進級製作展は13日まで催されてます。なんと21時までやっているので、お近くを通りかかることがありましたら、是非覗いてみてください。楽しいですよ。私が気に入ったのは『石橋』以外には『のーと』と『階段遊び』です。

Pocket
LINEで送る

柏木ゆげひ

大学の部活動で能&狂言に出会ってから虜→現在は会社員しながら能楽研究の勉強中。元が歴史ファンのため、能楽史が特に好物です。3ヶ月に1回「能のことばを読んでみる会」開催中。能楽以外では日本史、古典文学などを好みます。

オススメの記事

2件のフィードバック

  1. 木白山 より:

    うーん。私も反省。
    本業にそろそろ力を入れないとまずいです!
    私も恥ずかしながら、美術系なので、この記事を読んで更に反省(笑)
    能にばっかり力が向いてしまって、本業おろそかにしまくりです;;
    初めは、何かあるぞ-何かあるぞーと、ちょっと手を出してみよう程度に見物していたら、ぐいぐい引っ張られちゃいました!!
    でも、ゆげひさん、古代史だったら、能との関わりもありそうですけど。。
    どうなんでしょうか??

  2. 上に書いたように、私自身寄り道ばかりしていたので、
    弁護するわけではないですが、寄り道も良いことだと思います。
    ただ、本業を疎かにすると拙いと思うわけで(^^;)
    これぞ、と決めたことはきっちりしなくては、って言いたいのです。
    まあ、能には引っ張り込まれるだけのものがありますよね。
    私が「淵」だと思っているものが(笑)
    古代史ネタの能はいくつかありますが、能楽の大成は中世ですし、
    あくまで中世の解釈などを基にしてますし、
    古代史ではなかなか扱いづらいテーマなのです。
    能楽以前の「散楽」などをしようかな、と思ったころも
    ありましたが、深い闇にハマりこみました(笑)