昨日、「せぬひま」のワークショップで帆足正規先生(笛方森田流)のお話を聞きました。帆足先生のお好きな落語の話から始まって、シテ方宝生流の野口兼資さん(1879-1953)や、十四世喜多六平太さん(1874-1971)といった見聞きされた名人の話、そして能の本質みたいな話へ繋がっていって、本当に贅沢な時間でした。
実は私、前に学生のお囃子会に出た時、出番が終わって少し休んでいたところを、突然それまでお会いしたこともない帆足先生にお声をかけていただいたことがあるんです。とても嬉しかったです。
そして、少しお話させていただいたんですけれど、帆足先生って本当に物知りで物事の見方も柔軟ですし、お話も面白いな、と感じたのです。その時以来、頭が良いってこういう方をいうんだろうな、と密かに尊敬しています。「能楽タイムス」の連載は毎号楽しみで(笑) またお話する機会があったら良いなぁ…。
昨日も話されていましたが、帆足先生のお話で印象深いのは、帆足先生がお若い頃、難曲を勤めることになってどう吹けば良いのか迷っていたところ、偶然楽屋が一緒だった藤田大五郎師(笛方一噌流・人間国宝)にお聞きしたら「お若いのですから曲趣に迷わず、まず力一杯につとめなさい」と仰ったとのこと。
これは藝の世界を超えて、大切なことだなぁと感じました。力一杯努めなければ何事も進まないんですよね。なんだか楽なほうに、楽なほうに行こうとする自分が恥ずかしく、それだけに強く憧れを抱きました。
そういえば、違う方ですが「何事にも一生懸命やってみろ、そうしたら楽しいぞ」と言われてるんですよね。同じですよね。それだけに話を聞いて、感銘を受けているだけじゃダメです。実践しなければ。
いいお話をしていただいてよかったですね。でも「お声をかけていただく」「いい言葉をいただける」と言うのはゆげひさんに言葉をかけたくなる何かがあるのだと思います。言われたことを真摯に受け止め、自分のものにしようとするゆげひさんの姿勢故だと思いますよ。
私に言葉をかけたくなる何かがあるのでしょうか?
それは大変嬉しいことなんですけれどね。
前にお会いした学生のお囃子会の時は、後席でも
帆足先生のところまで突撃してました。
今回は…残念ながら、終了後に予定があったので…。
帆足先生は京都の方ですから、ちょっと遠いのが残念。