先月28日の話。大阪府吹田市の吹田歴史文化まちづくりセンター「浜屋敷」まで行ってきました。「能楽囃子の世界~室町の舞~」という催しを拝見するためです。
「浜屋敷」は吹田市が2000年に寄付を受けた古民家を改修して、江戸末期の庄屋屋敷を再生したもので、前半は土間に椅子を並べた客席に、使用人たちが食事をしていた台所を舞台として演じられたのですが、その台所は立派な板の間で、しかもちょうど4本の柱に囲まれていますし、橋掛りの代わりになりそうな通路もあって、思わず「うまく出来ているものだな~」と感心してしまいました。
開演まで客席で本を読んでいたのですが、舞台側から聞いたことのある声が聞こえて、顔を上げると、司会として桂吉坊さんが登場されてました。チラシのどこにもお名前が書かれていませんでしたので、少し驚きましたが嬉しい。司会だけでしたが、落語も拝聴したかったです。
進行はこんな感じ。とっても盛りだくさんでした。
★舞囃子『岩船-舞働』(待謡~早笛~舞働)
★挨拶 演者・楽器紹介
★居囃子『葵上』(ノット~祈リ~キリ)
★舞囃子『大小中之舞』(~『草子洗小町』ワカ)
★舞囃子『翔』(~『経正』シテ謡)
★舞囃子『祈リ』
★一調『杜若』(謡:山中迓晶 太鼓:三島元太郎)
~休憩~
★楽器体験
★舞囃子『猩々乱』
(※一調以外の演者は シテ:山中迓晶
笛:斉藤敦 小鼓:上田敦史 大鼓:山本哲也 太鼓:三島卓)
中之舞から祈リまでは、同時に開催されていた能面展から借りた面をかけての舞囃子でした。『大小中之舞』は小面、『翔』は中将、『祈リ』は蛇。実演前の解説では、「祈リ」について、「蛇」の面を見せながら、怒りと悲しみが同居した表情で、演者としては悲しみのほうが強いように思うと仰ってましたが、私はむしろ怒りのほうが感じられました。使われた面の問題でしょうか。
楽器紹介で面白かったのは、鼓胴の真ん中の狭くくびれた部分(「棹」とか「如孤」という)の話。能管の「ノド」(管の中に二重に入れた短い竹管)などと同じで、わざと空気がまっすぐ通らないようにして、空気を詰まらせて、また広げる効果があるのだそうです。空気を詰めて、また、そこからバーッと広げるというところに能楽囃子の特性が現れているように思えて、なるほどと感じました。
楽器体験はあまり時間が取れなかったようで、私も触れずじまいになって残念。最初に何にしようか、悩んでしまったのが敗因かと思います(笑)
桂吉坊さんの司会に、「能楽はなし方」(パンフレットより)を自認される上田敦史師や、サービス精神満載の山中迓晶師のトークが炸裂して、楽しい時間を過ごさせていただきました。もっとも、トークの軽い雰囲気のままに実演に入ってしまう部分もあって、「え、もう?」と感じた部分もありましたけれど…。
こういった講座的な催しでは、親しみやすさは大切だと思います。でも、それと能楽の厳粛さ?とを両立させるというか、メリハリを効かせるのは大切ですよね。難しいですが…。なんとか上手い方法はないかなと、どうしても6月9日の「四季の狂言の会」の材料として考えてしまう私でした(笑)
私もこの催しに行きたかったのです!!
でも、他に予定が入ってまして泣く泣く諦めたのでした。
浜屋敷にも興味ありましたし、吉坊さんが司会とは!!
う~ん、残念でした。
ゆげひさんはひさしぶりに能の世界を堪能されたのでは?(笑)
★かえでさん
浜屋敷も良い建物でしたよ。ガラス張りは少し残念でしたが。
前半は台所を舞台に舞ったり謡ったり囃したりしてらしたのですが、
最後は奥の座敷にて『猩々乱』。座敷能も良いなぁと思いました。
かえでさんのように、毎週のように能や文楽
(結局4月公演は行けませんでした)に参るのは無理ですが
2週間前に「五人囃子の会」にも行ってますし、
お稽古にも合間を見きましたので、
そこまで久しぶりという感じもしません。
ただ、最近は部分演奏の会ばかりなので、
本式の能や狂言が観たいなぁ、というのは思いますが。