天守物語 原作:泉鏡花 監督:(五代目)坂東玉三郎 松竹 1997-02-20 by G-Tools |
播州姫路・白鷺城の天守閣を舞台にした魔性の女性・富姫と、若き鷹匠・姫川図書之助の物語である『天守物語』の映画です。戯曲の原文はこちらにありますので、興味のある方はお読みください。別に昨日、姫路城に行ったのは偶然で、この『天守物語』のビデオを借りたのとは全く関係がないのですが、やはり、「あそこに富姫が…」と思ったりはしました。
ちょうど『雨柳堂夢咄』で出会ったまんが家・波津彬子さんの作品に、泉鏡花の戯曲をまんがにした『鏡花夢幻』があるのを読み、その「解説」で、坂東玉三郎さんが主演の映画があることを知って探していたのものです。『鏡花夢幻』を読んで以来、泉鏡花の戯曲は幻想的で、いまひとつ掴みきれない感じもあるのですが、なんだか良いなとは思っています。
また、泉鏡花の出身地は能楽が盛んな金沢で、母方は能楽の家(祖父は大鼓方葛野流、伯父がシテ方宝生流だとか)だったと聞けば、能マニアの血が騒ぎます(笑) ついでに10月には『夜叉が池』も梅若六郎師・野村萬斎師ほかが参加して能楽劇として上演されますしね。そんなわけで、今、私には泉鏡花は気になる作家なのです。
で、映画の感想なんですが、『天守物語』の舞台は見たことはありませんけれど、戯曲を読む限り舞台劇をほぼそのまま映像化した感じで、舞台は天守閣の中からほとんど動くことがありません。坂東玉三郎さんの富姫は美しくも怪しく、なかなか雰囲気が出ていたように思います。まあ、凄い名作という感じはしませんでしたけれど、なかなか雰囲気の良い映画だったな、という印象です。富姫を頂点とする腰元衆の上品な感じだとか。
あと、良いなと思ったのが「だゞゞだゞ」と濁った笑い方をする朱の盤坊。なかなか楽しげでいい感じ。能装束めいた衣装も、何気に私のツボだったりします(笑)
■主な役柄と配役
富姫・舌長姥:(五代目)坂東玉三郎
姫川図書之助:宍戸開
亀姫:宮沢りえ
近江之丞桃六:島田正吾
薄:南美江
朱の盤坊:(四代目)市川左団次
■関連記事
→外科室
私も歌舞伎にはまり始めた当初、借りて見てきました。
玉三郎さんの富姫は妖艶ですね(^^)
あと、玉三郎さん監督で鏡花作品短編『外科室』もあります。
こちらは玉さまはちょい役です(しかもお髭姿が〜!)
主演は吉永小百合です。こちらも機会があれば是非!
(勘三郎さんや仁左衛門さんもちょい役で出てます。)
それから、少しだけ鏡花戯曲を読みました。
『夜叉が池』も面白いです。
図書之助=海老蔵(その頃は新之助ですね)の舞台を見ました。
まだ、新之助十代で、初々しかったです。
金沢のお菓子に、その名も「宝生」というのがあります。
めっちゃおいしー!
★みゆみゆさん
とにかく、坂東玉三郎さん演じる富姫と、
そして市川左団次さんの朱の盤坊が印象的だったので、
なんだか歌舞伎役者のビデオ見た感じがします(笑)
宍戸開さんの姫川図書之助も、「すずしい」という言葉が
とても似合ってましたし、役者の演技はかなり良いと思いますね。
『外科室』のビデオも探してみますね。
中村勘三郎さんの演技を見てみたいので。
その意味では『元禄繚乱』の総集編に興味が…。
泉鏡花の生の戯曲は読んだことがないのですが、
波津彬子さんのまんが『鏡花夢幻』は、
坂東玉三郎さんの『天守物語』を見る限り、とても
舞台の雰囲気を表しているように思います。
で、まんが化されて収められている『天守物語』
『夜叉が池』『海神別荘』の三篇では、特に
『夜叉が池』が面白く感じたので、10月の能楽劇にも
興味を抱いているところなのです(^^)
ただ、電車などでもたくさん広告されているので、
チケット争奪戦は激しそうですね…。
★花兎さん
初々しい市川海老蔵さんが図書之助の
『天守物語』というのも面白そうですね。
金沢の「加賀宝生」は
http://blog.funabenkei.daa.jp/?eid=179211
に書いたように、こっこさんにいただいたことが
あるんですが、どうやらハズレだったようです(汗)
本物が食べてみたいです。
はじめましてです♪
先日、私も玉三郎さん&海老蔵さんの「天守物語」を見てきました~!
皆さんがおっしゃるとおり、玉三郎さんがすごく妖艶でした。
あと、びっくりしたのが、玉三郎さんってすごく華奢なんですね!(-_-)/
脱帽です。。。
★キャシーさん
はじめまして。
歌舞伎座で坂東玉三郎さんと、市川海老蔵さんの『天守物語』が
演じられていたんですよね。
この記事で書いている映画は約10年前のものですから、
今とどう違うのか見比べてみるのも面白いかもしれません。
しかし、玉三郎さん、男なんですよね…(笑)
先日偶然TVで見た『アマテラス』の舞台もとても綺麗でした。
お返事ありがとうございます_(・_・)_
↑の映画、10年前にやっていたものだったんですか!
びっくり☆
そうですね~。やっぱり演じる人が違うと、同じセリフでも雰囲気が違いますよね?
そう。
玉三郎さん、あんなにキレイなのに男の人なんです(笑)
そういえば、歌舞伎好きのうちの母も同じことをいっていましたっけ?"/(+_+)
「アマテラス」ですか?
見たかったな~…ザンネンです。。。(-_-)
あ、
この日記を私のブログにリンクを貼ってもよろしいでしょうか?
よろしくお願いしますです_(・_・)_
★キャシーさん
同じ原作で、同じ人であっても、
映画と舞台、そして時期によって違いはあると思います。
私は能楽ファンですが、能は誰が演じられてもほぼ同じ
台本ですが、それでもその結果は千差万別ですよ~。
もし良ければ、坂東玉三郎さんが監督と主演をされた
映画の『天守物語』も見て下さいね。
リンクはどうぞご自由にお貼り下さい。
そうなんですか!
勉強になりました。ありがとうございます♪
映画と舞台だと、確かに違いそうですね。
同じセリフでも、人が違うと雰囲気とかも変わっちゃうんですか=3
伝統芸能って、まるっきり同じ役をやらなくちゃいけないから、
そういった違いはあってはいけないものだと思ってました/(-_-)
あと…時期によって違うんですか?
ゆげひさんは能がお好きなんですか☆
すごいなぁ~
能楽って、難しい気がして敷居が高い感じがします。。(-_-)
でも、能楽も興味を持ってみると楽しそうですネ♪
やぁ~、色々おもしろくなってきました!
ありがとうございます~_(・_・)_
映画の「天守物語」もチェックしてみます!
TSUTAYAにあるかな~?
それと、リンクの件ありがとうございます。
早速、貼らせていただきたいと思います。。。
ではでは♪
エビちゃんに会いに…
夏といえば、やっぱりスイカです♪
人が違うと雰囲気が変わらない方がおかしいですよ。
違う人なんですもの。
伝統芸能には「型」という、一つの理想があって
それに沿うように稽古を重ねるわけですが、
どうしても、その型を見に付けた上で
それぞれの人による味が出てくるんですよ。
機械がやってるわけでないので、むしろ当然というか。
そこが伝統芸能の醍醐味だと思います。
時期というは、同じ演者さんでも、いろいろな経験を
重ねられて成長や変化をされるわけですよね。
ですから同じ役者さんでも5年前、10年前は違うわけです。
能楽(能と狂言)は、ちょっと取っ付きにくいところはあると思います。
しかし中に入ると深くてたまりませんよ。