今日は金剛能楽堂にて催された京都能楽養成会研究発表会に。予定があったので、途中からになりましたが、目当ての原大師の半能『張良』初演には間に合いました。
京都能楽養成会 研究発表会
◆9月26日(月)18時~ 於・金剛能楽堂
(番組省略)
★観世流半能『張良』
シテ(黄石公)=大江信行
ツレ(大蛇)=河村浩太郎
ワキ(張良)=原大
地頭=片山清司
笛=杉信太朗 小鼓=曽和尚靖 大鼓=河村大 太鼓=前川光範
『張良』は装束を着けずに演じる「袴能」でしたが、とても良かったです! 本家サイトの掲示板に書いたことの繰り返しになりますが、力強い地謡と囃子でしたし、シテは堂々としていて、人外の能力を備えた黄石公というのにとてもよく似合っていました。そして主役の原大師ですが、激流に阻まれる様を表した激しい動きも良かったですが、何よりもワキ座に座ってシテとツレに対している姿がステキでした。これぞワキ!
養成会ですから全員が若い演者ばかりなのですが、それぞれの役がステキに組み合わさった”組み合わせの妙”を見せていただいた感じがします。無料でこんな能を見ていいのだろうか、と思ってしまうほどに(^_^;)
原大師は来月の大阪学院大学薪能でも『張良』を演じられます。今度は前場もあり、装束も着けられる、という点では楽しみなのですけれど、シテが素人の方なんですよね…。去年まで大阪学院大学薪能に行っていた方にお聞きしましたが、やはり素人能のレベルを超えるものではないようです。
今日は能というのは本当に”組み合わせの妙”であることを感じてしまっただけに…全員がプロによる『張良』で、原大師がワキをつとめられるのを観たい、と思うのは贅沢なのでしょうか。
話は変わりますが、『張良』の前に演じられた茂山千五郎家の書生による袴狂言『呼声』。全員ではないですが…紋付袴がきちんと着れていなくて歪んでる人がいるんですよね。それだけでいかにも下手そうに見えました。舞台芸能なんですから、見た目って大切ですよね。
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原大さんの半能「張良」良かったそうですね!
僕も観に行けば良かったな~
今日、大阪学院大学薪能の応募葉書を出してきましたけど…
僕も本番のシテが素人の方というのは残念だと思います…
一度しかない披キなのに…
やっぱり能・狂言は世襲を重んじる芸能なのすね…
言い方は悪いかもしれませんが、家の人間じゃないとこんな扱いか…
>>言い方は悪いかもしれませんが、家の人間じゃないとこんな扱いか…
いや~世襲中心の芸能というのはその通りでしょうけれど、
「こんな扱い」というのは違うと思いますよ(^^;)
普通、シテ方から呼ばれて出演するワキ方・囃子方は
偶然の機会を見つけて「披キ」って方が普通でしょうから。
ましてや『張良』は滅多に出ない稀曲で、扱いも重いです。
原大師の師匠である、谷田宗二朗師は50代になってから
『張良』を披かれたそうですから、それに比べると随分早く
機会が回ってきたことになりますし、養成会で半能だったとはいえ、
きちんと一般に披露する機会が用意されたわけですし。
ましてやたくさんのお金をかけて催す素人能。
重い曲ならウン百万は軽く超えると聞きます。
それで、そのシテ自身よりワキが活躍するような大曲『張良』の
機会が与えられるわけで、原大師はむしろ幸運なんだと思うんですが…。
披キは大切なことですけれど、あくまで役者個人の問題ですから
周りが機会を作ってくれるものではありませんよね。
そして、プロ能楽師でも、自分で会を催すには手間もお金もかかります。
シテが素人ということで、好き勝手に文句言ってるのは
見る立場の私です(笑)
私もお稽古を受ける立場では一素人であることを棚に上げて(爆)
京都能楽養成会
流派を越えて、
京都の若手
能楽師さん達を
育てようという
組織で、定期的に
研究発表会を
されています。
本日は今年度の
第四回目。
金剛能楽堂で
催されました。
管理人さんがおっしゃる通りですね。
「こんな扱い」とは、ちょっと言い過ぎました。
すみません。
でも、シテは玄人の方が良かったです。
原大さんの「張良」が素晴らしい公演になりますように…
いえ、責めるような感じで申し訳ありません。
シテがプロなら良いのに、と思うのは私もです。
大阪学院大学薪能では、京都能楽養成会研究発表会以上の
原大師の好演が見られたら良いですね(^_^)