事象の地平 川原泉 白泉社 2003-12 by G-Tools |
私が好きなまんが家の代表に挙げて良いのが川原泉さん。『事象の地平』はそのエッセイ集。まんが家でありながら文章主体の本です。川原作品に漂う知的でありながらも、そこはかとなく少しとぼけた感じの雰囲気は文章でも共通。楽しんで読んでいたのですが、ショックな一節を見つけてしまいました。
ところで私の場合、「耽美」と言われて思い浮かぶのは、明治・大正期の小説家「泉鏡花」だな。泉鏡花……ペンネームまで耽美的。日本の伝統美と独特な幻想世界を見事に融合させて表現した作家にふさわしい名前だ。…しかし、デビュー当時の彼のペンネームが「畠芋之助」だっとゆー事はあまり知られていない。最初はギャグ作家だったのだろーか。芋之助に一体何が起きたのか。
(第12講「事象の地平の果て」より)
最近マイブームの泉鏡花の前名が畠芋之助だった! 名前を悪く言ってはいけないとは思いつつも…幻想・耽美小説の作者が「芋之助」では全然サマにならないです~!(^^;)
と、話を『事象の地平』に戻すと、正直なところ川原さんはまんが家ですから、この内容をまんがで読みたかったと思う気持ちが正直あります。しかし、これはこれで面白く、むさぼるように読んでいます。「天動説から地動説へ。コペルニクス先生はいい人だ」と書く川原さんのセンスはやっぱり好きです。
まあ、川原作品を読んだことがない人は何かまんがを読まれてから、この『事象の地平』に進まれることをオススメしますけれどね、さすがに。
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確かに名前を悪く言いたくはないけれど、やはりイメージというものが・・・芋之助かぁ・・^^;どういう思いで名乗ったんだろう?!
ところで、まだ先の話しですが、3月31日に静岡で玉三郎さんが天守物語を語る「言の葉コンサート」というイベントがあります。まだ詳細は分かりませんが、近場で行われますし、是非行こうと思っています(^^)
ホントどういうつもりで名乗ったのでしょうね、「芋之助」。
やはり、自分の作風とある程度は関わりを持った感じの
ペンネームを考えるでしょうから、川原泉さんが書かれたように
「最初はギャグ作家だったのだろーか」と思いたくなります(笑)
坂東玉三郎さんが『天守物語』について語るイベントが!
大阪でもやってもらえないものなんでしょうか。
近くでやっていたら、行くだろうに…。
まだ先のことですが、行かれたら是非レポートして下さいね(^-^)