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萬斎でござる (二世)野村萬斎 朝日新聞社 2001-11 by G-Tools |
少し前にNHK大河ドラマ『花の乱』総集編を見ましたが、何と言っても印象的だったのが、応仁の乱東西両軍の総大将・細川勝元(野村萬斎師)と山名宗全(萬屋錦之介さん)。そんなわけで、萬斎師の著書『萬斎でござる』を読み直してしまいました。
『花の乱』について書かれたのは「『花の乱』-萬屋錦之介さんとのバトル」と題された105ページから109ページ(文庫版)。実は萬斎師の映像初挑戦の作品だったようですね。文章を読んでいると、なんだか「テクニック」「演技の研究」という言葉が繰り返されていたりして、少々頭でっかちな印象もありますが、「お手本は萬屋さんに置くことに決めました」「役柄も敵将でしたから、いつも意識し、萬屋さんがいまどう演じているかということを、絶えず見ていました」という文は、まさに映像を見た通り。
役柄としても「義父でありながら、対する西軍の将となる山名宗全」(勝元の妻は宗全の娘)ですが、『花の乱』を見ていて、勝元が、宗全と対決する中で人間的に澄んでいくように感じられたのは、逆に萬斎師のキャラクターなのかもしれませんね。とにかく、年齢的には倍以上の大ベテランに挑み、育てられ、ぶつかり合っている姿はステキでした。
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