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まず前日です。しっかり寝て、当日に疲れを残さないようにしたいものですね。 能や狂言に限らず舞台芸能をしっかり見ようと思うと、やはり集中力がいるものですから。お金を払って見る舞台ですししっかり観たいのであれば、体調は万全にしておきたいものです。私の経験上、何度か寝不足で行っては損をした、って舞台がありますから(苦笑)
さて当日ですが、まず服装。 着物じゃなきゃダメ?と思われる方もいらっしゃるでしょうが、私は去年の正月に初めて着物を行ってみたぐらいで、普段は普通の格好で行ってます。 ただ、あまりダラしない格好は能楽堂じゃなくてもカッコ悪いですね。特に改まる必要もないですけれど。もちろん、逆に着飾って行っても構わない場所です。
開場時間はチラシなどに書かれている場合もありますが、だいたい開演の1時間〜30分ぐらい前です。 バイトで能楽堂の受付をすると、2時間ぐらい前から来られる方もいらっしゃいますけど、受付の準備が整ってないために待たされる可能性もあるので、もうちょっと遅くても構わないと思います(笑) ただし、あまりギリギリに来ると自由席の場合良い席は埋まってしまうので、それなりに余裕を持って来ることは大切かと。
特にありませんが、幕から笛の音、そして他の楽器の音が聞こえてきたら、もうすぐ開演です。「お調べ」といって、開演直前のチューニングの音なんですが、開演の合図もを兼ねていると思って下さい。雅やかで良いものですよ(^^)
開演前になったら、途中で席を立ったりする必要がないように、できるだけお手洗いなどは済ませるようにしましょう。もちろん、携帯電話の電源などはしっかり切ること。携帯の着メロは能楽師や狂言師のみなさんが懸命に作り出した雰囲気をいとも簡単に粉砕してくれますので。残念ながら、これが良く鳴るんです。もっと徹底したいものですね。 …というか、こういうことは能・狂言に限りませんよね。映画などでも同じ。ただ、映画館なら上映前に注意を促す広告が入ることが多いですが、能・狂言の場合、そういったアナウンスがないことが多いので、できるだけ観る側で気をつけましょう。
私語をしない、飲食をしないなどは当然のことですよね。静寂の中ですから、ちょっとした鞄の開け閉めや、ヒソヒソ声ですらよく聞こえます。ましてや、目の前で演者が演技を見せているのに、見つけた知り合いに挨拶したりするのはやめましょう…って、実際いるから書いてしまいました。飴を舐めたり、こそこそ喋ったりする人が。しかも身なりの良いおばちゃんとかに特に目立ちます。…いい大人なんだから、ねぇ。
遅刻はもちろん避けたいですが、どうしても遅刻してしまった場合は、静かに入ってしばらくはドア付近でじっと立ち見に甘んじる、ぐらいの気持ちでいたいものです。誰かがうろうろしている、それだけでも本当に静寂な空気というのは破壊されてしまうものなのです。周りの方々もお金を払って見にきているわけですから、そういうものはマナーです。 もちろん、いつまでも立ち見は大変ですから、舞台上の緊張が和らいだ隙を見計らって、適当な席に座るようにするのは構わないと思います。もっとも『翁』や特別の曲の場合、途中入場を認めないこともありますので、その場合は係の人の説明に従うようにしてください。 (『清経 恋之音取』の披キの舞台のお手伝いしてた時に途中入場を認めず、もの凄くお客さんに文句言われたことがあるんですが…あらかじめ断ってあるんだし従って下さい、ホンマに(泣)) 上演中にどうしても席を外さねばならなくなった時も、できるだけ周りの方に迷惑がかからぬよう、静かに速やかに退出するようにしましょう。
だいたい最後に終わった後の拍手が起きますが、私はあまり好きじゃないです。能や狂言には終わった時、しんみりしたりと余韻がとても心地好いものがあるのです。そういう時に拍手が起こると余韻が破壊されるんですよね。 狂言の場合、演者の1人が退場しても、もう1人がまだ舞台上で演技していることも多いですし、能の場合、立ち方(シテ・ワキ・アイ)が全員退場しても、囃子方・地謡方はまだ残ってます。そういう舞台に残っている方が入る場合、拍手って、なんだか「はよ帰れ」と言ってるように感じてしまう時すらあります。 感動して是非拍手がしたい!という場合は別ですが、そうでないなら、何が何でも拍手しなければならない、とは思いませんね。 (2004/04/15) |
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