能楽フォーラムの様子がマンガ化!後半編

大阪大学文法経講義棟41教室

十二世江崎欽次朗先生のお話

昨年(2015年)12月20日に大阪大学にて催されました能楽学会の第25回能楽フォーラム「福王流の歴史と芸風(1)―播州江崎家の伝承から―」の後半。

第二部「江崎家における伝承とその芸風」(江崎欽次朗先生[福王流ワキ方]、聞き手:中尾薫先生[大阪大学准教授])のレポートマンガです。描いてくださったきょうらんさんのご好意で、転載させていただきます。

前半、第一部の内容は前回の記事「能楽フォーラムでの発表をマンガにしていただきました」にアップさせていただきましたので、まだご覧になっていない方は是非ご覧くださいませ。

能楽フォーラム行ってみた!その(3) 後半、満を持して江崎先生ご登場! 十二世・江崎欽次朗で〜す! 中尾薫先生のお呼び出しを待たず嬉々として登場されました。予定表には江崎先生&中尾先生での対談と書かれていましたが、補佐として朝原さんも急遽同席されていました。お二人の自然な空気に、日頃からの交流ぶりを垣間見た気がいたしました♪ 九世・欽次朗先生と横山さん。なんとなくイメージを重ねてしまう…。 江崎先生のお話のほか、江崎家所蔵の古い文献の画像(福王宗家発行の免状、書き込みがされた型附、福王宗家からのお手紙)がスライド上演されたり、九世・十生の謡の録音や映像なども上演されました♪ 九世・欽次朗先生 水のようにサラサラとした謡 十世・金治郎先生 九世の反動?力強く派手な謡 祖父(十世)はシテ方に憧れていまして…

能楽フォーラムレポートマンガ(4) 今回印象に残ったことのひとつ。今年、江崎家所蔵の書物類が神戸女子大学へ寄贈されたという報告がされました。850冊以上…! 現在、公開へ向けて整理作業が勧められているそうです。段ボールの中に入ったままの宝物(書物)はどうなるのが一番幸せなんだろうと思って…毎年虫干しをしても確実に朽ちて行く本たちをこのままにはしておけないと感じていらしたそうです(私なら自分の財産として朽ちても手放さない気がする…) 神戸女子大との縁を作って下さったのは味方健先生とのこと。一度離れた能の世界に戻ろう頑張ろうと思ったきっかけは温かく迎えて下さった先輩方などの存在だとか。江崎のぼんまってたで! 人とのご縁ってなんてステキなんだろう… 会場は終始和やかな雰囲気で 昔きいた謡は記憶ちがい?! ソレ!ハデ好きの10世!モノマネ〜! 聴講者による質問コーナーも、自然と笑いが起きるほどの温かさでした。

能楽フォーラム行ってみた!その(5) 「人」から「人」へつながったからこそ今があること。福王流江崎・中村の二家へ養子を出して断絶した小森というお家があったり(小森家のお墓は江崎家で守っているそうです) 「人」と「人」のご縁が未知を作っていること。今回の聴講を通して、改めて能楽の世界が好きになりました♪ 自分は場違い…と勝手に決めつけず飛び込んでみてよかったです♪ ここで次回の宣伝★ 能楽学会第26回能楽フォーラム「福王流の歴史と芸風(2)―福王茂十郎氏に聞く―」日時:平成28年3月2日(水)13時30分〜17時00分 会場:大阪大学豊中キャンパス21世紀懐徳堂スタジオ 報告(1)福王家歴代点綴 惠坂悟氏 報告(2)真名謡について 大谷節子氏 【この人に聞く】福王家における芸の継承と芸風 福王茂十郎氏・天野文雄氏 オマケ 大阪大学豊中キャンパスで発掘されたマチカネワニをマチカネワキ…に変えてしまいたい衝動が。待ち兼ねた…後シテ出てこない

こちらも能楽フォーラムの共催だった大阪大学演劇学研究室のfacebookページにシェアされています。

次回の能楽フォーラムは福王宗家について特集です!

きょうらんさんも、最後に描いてくださっていますが、次回の能楽フォーラムが「福王流の歴史と芸風(2)―福王茂十郎氏に聞く―」と題されて、3月2日(水)に予定されています。

福王流の歴史と芸風(2)―福王茂十郎氏に聞く―

2016年3月2日(水)13時30分~17時(開場13時)
会場:大阪大学豊中キャンパス21世紀懐徳堂スタジオ(大阪大学会館内)

第1部【報告】
「福王家歴代点綴」恵阪悟(帝塚山大学講師)
「真名謡について」大谷節子(成城大学教授)

第2部【この人に聞く】
「福王家における芸の継承と芸風」福王茂十郎(福王流十六世家元)
 聞き手 天野文雄(京都造形芸術大学舞台芸術研究センター所長)

会費:500円(資料代) ※能楽学会会員は無料
主催:能楽学会
共催:大阪大学文学研究科演劇学研究室
申込・問合先:大阪大学中尾研究室 06-6850-5125(水・金の13時~17時)

福王流十六世家元・福王茂十郎先生をお招きしてのインタビューのほか、研究報告が2本。天野文雄先生や大谷節子先生は、関西を代表する能楽研究者ですので、私もとても楽しみにしています。詳しくは能楽学会の公式サイトをご覧くださいませ。

能楽(能と狂言)の魅力、と言っても、さまざまなものがあると思います。プロの演者たちが舞台で披露される芸を観て楽しむことはその中心にあるものでしょうし、稽古を受けて芸を披露する楽しみも大きなものがあります。それらの魅力に、私はもうひとつ、深く知ったり追求して研究する楽しさもある、と個人的に思っています。

きょうらんさんも最初に描いてらっしゃいましたが、学問とか研究というと身構えられる方もいると思うだけに、こうして親しみやすく描いていただけることはとても嬉しいです。改めてきょうらんさん、ありがとうございました。

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柏木ゆげひ

大学の部活動で能&狂言に出会ってから虜→現在は会社員しながら能楽研究の勉強中。元が歴史ファンのため、能楽史が特に好物です。3ヶ月に1回「能のことばを読んでみる会」開催中。能楽以外では日本史、古典文学などを好みます。

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