能百番を歩く

能百番を歩く(上)(下)
杉田博明 三浦隆夫
京都新聞出版センター 2004-10

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 能の曲名の五十音順にゆかりの土地を取材して京都新聞に連載された記事をまとめて本にしたもの。1990年に一度発行されたものを2冊に分けて再刊行したのがこの上下巻版です。

 私は前版を図書館で借りて読んだことがあるので、今回パラパラとめくったのは下巻のみ。ですから、もしかしたら上巻には目新しい場所があるのかもしれませんけれど…。

 下巻を見た限り、前版のあとがきがなくなった代わりに巻頭にカラー写真および解説、巻末の用語解説が加わっただけに思え、2分冊になって合計価格がアップした(2,100円→1,400円×2)だけ、買いにくくなったように感じます。

 本文は曲のあらすじ及び演出、そしてゆかりの地を紹介した文で普通。どうせなら、この本を読んで実際にその土地を訪ねようと思った人(私のことですが)に使い易いように、端で良いので住所や交通アクセスのガイドといったものが載っていてもいいのにな、と思いました。

 舞台の写真が京都のものばかり、というのはさすがに京都新聞社ですね。

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柏木ゆげひ

大学の部活動で能&狂言に出会ってから虜→現在は会社員しながら能楽研究の勉強中。元が歴史ファンのため、能楽史が特に好物です。3ヶ月に1回「能のことばを読んでみる会」開催中。能楽以外では日本史、古典文学などを好みます。

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