観世汁という食べ物

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観世流ゆかりの食べ物…かは分からない(汗)

知人から聞いた話なんですが、「観世汁」という食べ物があるそうです。

辞書(『大辞林』三省堂)を引くと味噌汁に薄く削いだ豆腐を入れ、水溶きした葛を流し入れたものと確かに載っていました。

出典を調べて見ると、江戸時代の寛永20年(1643)に出版された『料理物語』という本に載っているそうです。原文を引くと、

観世汁 たうふをうすくきり 中みそにてしたて候也 これもめん(『群書類従』では「あん」)をかけだしてよし

『料理物語』

ついでに「鯉の観世汁」も載っていましたので。

こいをおろし ちいさくきりて たうふをあぶりきり入 中みそにて吉 けしさんせうのあんをかけて出してよし

『料理物語』

とのことです。どなたか試して欲しいですね。

ただ、これ、よくよく考えたら能の観世流に由来するとは限りませんよね…。どこかの観音菩薩が有名なお寺が、参拝客に供していた、とかの可能性も(笑)

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柏木ゆげひ

大学の部活動で能&狂言に出会ってから虜→現在は会社員しながら能楽研究の勉強中。元が歴史ファンのため、能楽史が特に好物です。3ヶ月に1回「能のことばを読んでみる会」開催中。能楽以外では日本史、古典文学などを好みます。

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