さて、年末年始に関西各地で行われる、能楽の神事『翁』の情報が少しずつ揃ってきました。『翁』を見るのが好きな私には、楽しみでワクワクしてたまらない季節です(笑)
まず年内ですが、12月17日(土)の「春日若宮おん祭」。13時半ごろの松之下式で『弓矢立合』と「三笠風流」、16時半ごろの御旅所之式で『神楽式』が奉納されます。
『弓矢立合』は面をつけない三人の翁が舞う特別な『翁』で、「三笠風流」はその『弓矢立合』に加えて狂言方が演じる特別な祝言のこと。他ではほとんど演じられることのない演式です。『神楽式』は『翁』の簡略版といったところで、翁の舞と三番三の鈴之段のみが舞われるもの。
おん祭の特別な『翁』は奉納ですから、観覧無料というのも嬉しいです。ただ私自身は今年も用事が重なって、見ることができないのが残念なばかり。来年は日曜ですから見れるかなぁ…今から手帳に書いて予定を空けるようにしなければ!
春日若宮おん祭
・松之下式
◆12月17日(土)13時半ごろ 於・春日大社一ノ鳥居影向ノ松前(奈良市)
★開口 清水利宣 ★金春流『弓矢立合』金春安明・高橋忍・金春憲和
★大蔵流「三笠風流」茂山茂
・御旅所之式
◆12月17日(土)16時半ごろ 於・春日若宮御旅所御神前(奈良市)
★金春流『神楽式』金春安明 ★大蔵流「鈴之段」大藏彌太郎
年明けて。絶対に外せないと思っているのが、来年で創立70周年を迎える1月3日(火)の大槻能楽堂新春公演。「餅風流」付『翁』です。風流のシテ・餅の精には茂山千作師。しかし、地謡には茂山千五郎家だけでなく、関西善竹家のメンバーも参加されているのがポイントではないかと思ってます。翌4日(水)の公演でも『翁』が行われますが、こちらは翁:観世清和師、三番叟:三宅右近師と関東メンバーになってます。
大槻能楽堂新春公演
◆1月3日(火)14時~ 於・大槻能楽堂
★観世流『翁』翁:大槻文蔵 三番三:茂山千五郎
★大蔵流「餅風流」茂山千作 ★観世流能『羽衣-彩色之伝』片山慶次郎
◆1月4日(水)14時~ 於・大槻能楽堂
★観世流『翁』翁:観世清和 三番叟:三宅右近
★和泉流狂言『舟渡聟』三宅右矩 ★観世流能『鞍馬天狗-白頭』観世喜之
他に今分かっている『翁』と「三番三」の公演情報を列挙すると、
1日(祝)0時ごろ 「丹波篠山翁神事」 於・篠山春日神社能楽殿
観世流『翁』 翁:梅若万三郎 ※観覧無料
1日(祝)13時半~ 「新春天空狂言」 於・大阪能楽会館
大蔵流『三番三』茂山千之丞
3日(火)9時~ 「八坂神社翁奉納」 於・八坂神社能舞台
金剛流『翁』 翁:金剛永謹 三番三:茂山千三郎 ※観覧無料
8日(日)10時半~ 「京都観世会例会」 於・京都観世会館
観世流『翁』 翁:大江又三郎 三番三:茂山千三郎
9日(祝)14時~ 「志芸の会」 於・湊川神社神能殿
金春流『翁』 翁:金春穂高 三番三:前川吉也
15日(日)11時~ 「大阪梅猶会定期能 」 於・大阪能楽会館
観世流『翁』 翁:梅若猶義 三番三:善竹隆司
といった感じです。各地の神社での奉納の情報を加えればもっと増えるでしょうけれどね~。この中からいくつ行けるんでしょう…?
※ちなみにそれぞれの公演の詳細は「関西能・狂言公演情報」に載せておりますので、そちらを参照ください。
■関連記事
→来年の気になる公演
→正月・神社での『翁』奉納
私も翁が大好きなのでこの時期はとっても幸せです!
ところで篠山の翁の情報が手に入りました。
柏木さん、来年こそ如何ですか?万三郎さんの翁はとっても素敵で
一見の価値がありますよ!
翁 梅若万三郎 千歳 八田達弥
赤井啓三 大倉源次郎 荒木建作 上田敦史
また京都の例会の三番三は茂山千三郎さんです!
春日若宮おん祭(奈良県 奈良市)
「春日若宮おん祭(奈良県 奈良市)」に関連するブログ記事から興味深いものを選ん…
初めまして
こちらのサイトの穏やかな雰囲気にひかれて
しばしばおじゃましております
『翁』の三番三の話題にひかれて出てまいりました
ネット上で読んだだけなのですが
今年のお正月に梅若会の定式能で 「大黒風流」付の
三番叟があったようです
(大黒さんが眷属をつれて鈴の段を見物にやってくる)
最近になって『翁』(三番三・叟)に小書きがあることを
知りました
観にいけるわけではありませんが
「餅風流」の小書き どんな風なのか楽しみです
★こっこさん
良いですよね、『翁』。見ていると、
不思議と体の奥からわき立つような気持ちになります。
篠山春日神社での『翁』奉納と、京都観世会例会のの情報、
ありがとうございます。
篠山春日神社の元旦0時から奉納される『翁』は
是非見に行きたいものです。来年こそ。
★藤戸さん
初めまして。コメントありがとうございます。
「風流」は狂言方が演じますが、別に『翁』や「三番三」の小書と
いうわけではなくて、「風流」というひとつの芸態なんだそうです。
まあ『翁』の替エという意味では、小書みたいなものですが。
『翁』の小書としては、大鼓方が一部歩きながら打つ
「打掛」といったものがありますね。これは見たことがあります。
東京の梅若会であった「大黒風流」のことは
私もネットで見ました。野村萬斎師がつとめられたそうで。
国立能楽堂の開場記念の時に、大藏彌右衛門師(当時・彌太郎)も
「大黒風流」を演じられたそうです。
「餅風流」楽しみです。
柏木さん ありがとうございます
てっきり 小書きだ思い込んでいました
地方在住なので 観能機会が少なく
耳年増ならぬネット年増状態です
これからも ゆるゆると勉強させて頂きます
こんにちは。
私も「翁」好きです!
今までは選択の余地がなかったのですが、今年は関東で正月を迎えることになりそうなので、どこの「翁」でスタートしようかと、楽しみです。
関東では神社での奉納というのはなさそうなのが残念です・・・それとも私の情報収集が甘いのでしょうか?
★藤戸さん
能や狂言は東京・横浜・名古屋・金沢・京都・大阪・神戸・福岡などの
盛んな都市とそれ以外の地方とで、公演数に本当に差がありますよね。
また是非、能楽の公演を見に行かれて下さい(^^)
★挿頭花さん
こんにちは。
関東ではまたいろいろな『翁』が行われるのでしょうね(^^)
神社での能や狂言の奉納というのは、
あまり宣伝されない傾向があるので、
確かに細かいところを探さないといけませんが、
基本的に関西の風習らしい…と聞いた覚えもあります。
3日の八坂神社の三番三も千三郎さんでした。
千歳は宗彦さんです。(近所にポスターが貼ってあったので)
あと3日は滋賀の多賀大社でも11時から観世流翁が
あるようです。どなたかまではわかりませんが。
すごく、寒そうですよね。こちらも。
八坂神社『翁』の情報ありがとうございます。
阪急の駅によってはポスターが貼られるんですよね。
私の使っている駅では残念ながら見かけませんが。
早速、公演情報に追加させていただきますね(^^)
ところで、多賀大社の「翁始式」ですが、
11時からではなくて、10時からではありませんか?
多賀大社のサイトには「10時過ぎ」とあるので。
ちょっと気になります。
あれっ、時間が違いましたか・・
1時間違うと翁終わっちゃいますね。失礼しました。
茂山さんの奉納スケジュールにそう書いてあったのですが。
多賀大社のサイトにあるほうが本当じゃないでしょうか?
それとも色々な儀式を入れてかな?
いずれにしても早めに行っておいた方がいいとは思います。
どーなんでしょうねぇ?
遅れるよりは早く行っておいた方が良いってのは
確かに仰るとおりだと思います(^^)