本居宣長記念館

本居宣長旧宅

住所:三重県松阪市殿町1536-7

 松阪では宿に泊まったほかに、江戸時代の国学者・本居宣長の記念館に行って来ました。泊まった鯛屋旅館の若女将さんに「せっかく松阪に来たので記念館に行きます」と言ったところ、入場が無料になる券を貸していただいて助かりました。展示室が2つの小さな記念館でしたが、宣長の生涯を追いながら、著作を順番に見て行くことができる展示になっていて、結局、1時間半ぐらいかけて、じっくり見ていました。

★本居宣長(1730-1801)
 江戸中期の国学者。伊勢松阪の人。芝蘭・舜(春)庵・中衛と号し、鈴屋(すずのや)と称す。医者を開業する一方、古典研究を行い語句・文章の考証を中心とする精密・実証的な研究法により、古事記・源氏物語など古典文学の注釈や漢字音・文法などの国語学的研究にすぐれた業績を残した。また、復古思想を説いて儒教を排し、国学の思想的基礎を固めた。国学四大人の一人。著「古事記伝」「源氏物語玉の小櫛」「古今集遠鏡」「漢字三音考」「てにをは紐鏡」「詞の玉緒」「玉勝間」など。

 しかし、宣長って博学。宣長の業績で最も有名なのは『古事記伝』で、日本最古の歴史書(?)である『古事記』の注釈書ですが、ほかにも古典文学・歴史・言語・和歌・仏教・神道など幅広い。江戸時代の教養として当然謡曲も。12歳から始めて16歳までに

シャウシャウ、三輪、陽貴妃、東北、江口、バセウ、ウネ女、弓八幡、竹生嶋、羽衣、立田、源氏洪養、野ノ宮、井筒、アリドヲシ、國ヅ、田村、兼平、頼政、高砂、養老、柏ザキ、櫻川、三井寺、百万、ハン女、東北(又習)、八嶋、小シホ、海士、忠則、白楽天、松風、千手、カキツバタ、誓願寺、カヅラキ、西行櫻、羽衣(又習)、朝長、二人静、白髭、老松、加茂、呉羽、小カ治、通盛、清経、アツモリ、実盛、融

の計49曲(内、『東北』と『羽衣』は二度習ってます)。ついでに本業は医者ですし。そしてとにかく筆まめで、こうしたことを全て書き残しているのですよね。だからこそ、細かいことが分かるのですが。なんだか圧倒されてしまいました。

 上の写真は記念館の横に移築された本居宣長の旧宅。2階が「鈴屋」と名付けられた宣長の書斎でした。

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柏木ゆげひ

大学の部活動で能&狂言に出会ってから虜→現在は会社員しながら能楽研究の勉強中。元が歴史ファンのため、能楽史が特に好物です。3ヶ月に1回「能のことばを読んでみる会」開催中。能楽以外では日本史、古典文学などを好みます。

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