観世流能『熊野村雨留』の録音です。「村雨留」の小書は、桜の花の下で舞う主人公・熊野の上に村雨が降りかかって花が散り、舞を途中で終える演出。
「熊野松風に米の飯」という言葉があって、米の飯のように何度見ても飽きないだとか、能役者にとって『熊野』『松風』を演じていれば米の飯に困らないのだとか、意味の解釈は人によってバラバラですけれど、とにかく『熊野』『松風』2曲は古くからの人気曲であることを示すわけです。CDとしての出来は割と良く、聞いていて心地良いです。
(2004/10/17)